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2007年9月 6日 (木)

ベルリンムジークフェスト2007 サンフランシスコ交響楽団演奏会

松岡究です。いやはや本当に寒い。最低気温は8度ですって。巷の人々はほとんど皮のコートやジャンバー、あるいは襟巻きをしてます。あまりの落差にびっくり!

曲目   チャールズ・アイヴス:交響曲第3番「キャンプ・ミーティング」

      マーラー:交響曲第7番ホ短調「夜の歌」

指揮   マイケル・ティルソン・トーマス

前半のアイヴスの交響曲は初めて聴く曲でしたが、しっかりと調性のある音楽。ところどころコープランド風なメロディーも顔をのぞかせていて、耳には結構優しい音楽。ティルソン・トーマスの体質には良く合ってるんじゃないでしょうか。大変すっきりした全く滞りのない演奏。

後半のマーラー。4月にバレンボイムの極め付けとはまるで違う、「え、これ本当にマーラー?」と思わず言ってみたくなるような演奏でした。冒頭の運命的リズムの後にトロンボーンがソロで第1主題を吹くのですが、「うまい!でもめちゃ明るいやんけ~」と思ってしまいました。アイヴスと同じく全く滞りの無い、いい意味で明晰で明るいアプローチはこの指揮者の特色です。しかしアイヴスは良くてもマーラーでは首を傾げざるを得ませんでした。マーラーの音楽は、例えば日向にいても影の方を意識せざるを得ないような、あるいは影の方がうんと目だってしまうような性格を持っていると思います。それが全く影が無いのです。2年前に彼がベルリンフィルに客演した時にチャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」をやりましたが、イタリアの海で日向ぼっこしてるようなチャイコフスキーだったことを思い出しました。リズムは明るく軽く、歌には粘りやうねりは全く無い「夜の歌」ならぬ「昼の歌」でした。3楽章のレントラーなど初めの内は全くどういった形式かわからないくらい違う曲になっていました。よく言えば非常に洒落ている3拍子の音楽なんです。どこにも土着性や泥臭さは無く、あっけに取られてしまいました。2・4・5楽章などは、まるで映画音楽。

でもこんな風にマーラーを料理しちゃうのは彼の才能でしょう。学生のころストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」を聴いてなんて素敵な指揮者だろうと思ったことがあります。

しかし、聴衆がブラボーを叫ぶ中、私はカーテンコールはせずにすぐ帰路につかせていただきました。悪しからず!

   hakaru matsuoka

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