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2007年9月19日 (水)

メッツマッハー指揮ベルリンドイツ交響楽団演奏会

松岡究です。今日はまた寒くなりました。雨が降って気温が上がらず、ずっと10度前後だったようです。ダウンのコートを出そうかどうか本当に迷います。

曲目    ヘルムート・エーリンク:青い海

       マーラー:交響曲第4番ト長調「大いなる喜びへの賛歌」

   トランペット:ウィリアム・フォアマン

   エレクトリックギター:イェルグ・ヴィルケンドルフ

   ソロ:テルツ少年合唱団団員

  指揮:インゴ・メッツマッハー

最初のエーリンクの作品は、最後の方にシューベルトの「さすらい人」が引用されていると言うことで、最初にハンス・ホッターの歌う「さすらい人」の録音が流れた後、メッツマッハーによって作品が紹介され、曲が始められるという異例の形が取られました。エーリンクは会場にも来ていましたが、その曲のほとんどは幼い頃の体験が下になっているということで、今回のこの曲もそうだそうです。そして彼は耳の不自由な両親の下に生まれ、作曲家になったということでした。またそのことから、プログラムにはベルリンで行方不明になった子供の情報提供を写真・名前入りで求めるなど、社会的な側面に音楽も参加しようと言う、多分メッツマッハーの意欲が現れていると思いました。

曲は、トランペットの半分楽器の音と自分の声を同時に出す奏法で非常にミステリアスに始まりました。後半からは、ボーイソプラノがシューベルトの「さすらい人」を所謂不安を表すようなオーケストラのトーンの中で素晴らしい歌を聴かせてくれました。10歳くらいでしょうか、彼は曲の途中で何度か音叉を鳴らして音をとり、歌っていくのです。その声はまさに何か救いを求める子供達を代弁していたのでしょう。

後半は、マーラーの第4交響曲。ここでもメッツマッハーはボーイソプラノ(違う子供でした)を4楽章で使っていました。演奏は柔らかいトーンが基調になったいい演奏で、彼の力は現代音楽だけではないのだ、と言うことをはっきりわからせてくれました。とても品が良く、うるさくなく、この作品の美しさを充分表現していたと思います。(1楽章でクラリネットが1小節は早く飛び出したり、フルートがあわや落ちそうになったりと事故はいくつかありましたが)

ただ客の入りがどう見ても6割に到達してなく、彼のプログラミングではこれからの客足が伸びるのかちょっと心配になりました。前任のケント・ナガノはほぼ一杯にしていただけに、頑張って欲しいものです。

    hakaru matsuoka

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