コーミッシェオパー管定期公演
松岡究です。今日は幾分寒さは和らいだものの、依然として気温は11度から18度の間で、長袖にセーターの生活です。明日あたりから急に夏がくる予報が出ている模様ですが、どうなることやら。
曲目 シベリウス:交響曲第7番ハ長調作品105
ニールセン:フルート協奏曲
ラフマニノフ:「鐘」 ソリストと合唱とオーケストラのための
フルート:クリスティアーネ・ファスベンダー
ソプラノ:タチアナ・ガズディク
テノール:パヴォル・ブレスリク
バリトン:アレクサンダー・ヴィノグラードフ
合唱:コーミッシェオパー合唱団
指揮:キリル・ペトレンコ
たいへん充実したコンサートでした。今期限りでコーミッシェオパーを去るペトレンコと言うこともあって会場は超満員。コーミッシェオパーが満員札止めになるのはシーズンの中でもそんなにあることではなく、これを持ってしても彼のこのオペラハウスに残した足跡と楽員聴衆からの支持はたいへん熱いものがあったと思います。
最初のシベリウスの第7交響曲。ペトレンコにたいへん柔軟さが加わってきているように思えました。特に前半部分での悠揚たるオケの歌わせ方は彼の新境地を垣間見た思いです。後半やや表面的に流れる傾向があったことは残念でしたが、しかしこの難曲をここまで聴かせるのは彼の著しい進歩の証です。
2曲目のニールセンは以前にベルリンフィルでラトルとパユがやったことを思い出しました。フルートのファスベンダーはこのオケの首席奏者ですが、たいへんな名手でコーミッシェオパーのメンバーもだんだんと名手ぞろいになってきました。その彼女は清潔な音楽性と確かなテクニックで私としてはパユよりも楽しめた演奏でした。
最後の「鐘」。耳にするのは初めてでした。ペトレンコは実に入念にこの作品に取り組み、大きなうねるような表情や歌謡性を存分にオケから引き出していましたが、合唱が少々乱雑だったのは残念。ソロはソプラノのガズディクが柔らかい声とフレージングを大きく取った歌で秀逸でした。ただ疑問なのはこの曲はそんなに良い曲なんでしょうか?なんとなく内容の無い駄作のような気がしますが。
終演後はインテンダンとのホモキ氏が出てきて、ペトレンコに5年間の感謝と功績をたたえる演説をし、オケからも感謝の言葉が述べられ、彼の退任を祝いまた惜しんでいました。
hakaru matsuoka
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