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2007年5月19日 (土)

アッバード指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団演奏会

松岡究です。昨日は快晴で気温も19度から最低が8度と清清しい一日でした。

アッバードはベルリンフィルの監督を辞任してからもベルリンフィルとは良好な関係を保っているようで、毎年1回必ず客演しています。チケットの入手は大変困難で、必ず売り出しの日に3日間のコンサートは売切れてしまいます。

曲目  J・S・バッハ:ヴァイオリンと弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ短調(チェンバロ協奏曲BWV1052の編曲による)

     クルト・ワイル:ヴァイオリンとブラスオーケストラのための協奏曲作品12

     ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90

  ヴァイオリン:コーリャ・ブラッハー

  指揮:クラウディオ・アッバード

最初のバッハの作品は予告無しで取り上げられた作品。多分ワイルとブラームスでは演奏会が短いので、取り上げられのだろうと思います。しかし大変素晴らしい演奏。気品と陰影が同居して、またヴァイオリンが大活躍するように編曲されていて、大変楽しめました。バロックや古典の作品を演奏する時にはオーケストラはノンヴィブラートで演奏することはもう常識のような気がします。今回もそうでした。

ワイルの作品も輪郭がはっきりとしてとても美しく仕上げられた演奏でした。ただワイルの独特の「毒」とでも言うか、退廃的な雰囲気は後退してもうほとんど古典派の世界になっていたのは、少し残念でした。こういう作品は演奏にもう少しリアリティーがほしいですね。

休憩の時(午後9時ころ)、フィルハーモニーから眺める西の空は夕焼けでとても綺麗。そうなんです。午後9時でもまだ明るいんです。

メインのブラームス。ベルリンフィルのトップ奏者でも間違いはあるものですね。第1楽章の第2主題の途中で突然2小節間メロディーがなくなってしまいました。どうしてだろうとしばらく観察していました。アッバードは前半は大変素晴らしい集中力で振っていたのですが、このブラームスでは少し集中力を欠いていたように見受けられました。と言うのもその第1楽章での事故もさることながら、棒が1拍先に行っていることがしばしばで、ベルリンフィルもそれでは大変だったろうと思いました。ベルリンフィルとの関係があまりない指揮者だったら、もっと大変な事故が続出していただろうと思います。以前にこの3番をベルリンフィルでどなたかがやったときは、ほとんど空中分解していたと言うことをこちらに住んでいらっしゃる関さんから聞いたことがあります。今回のコンマスは安永さんでしたが、さぞ大変だったろうと思います。

音楽的な解釈でとても納得したことは、2・3・4楽章をアタッカ(休まず続けて演奏すること)で演奏したことです。本当なら全楽章そうしてもらいたかったのですが、アタッカで演奏することによって、この交響曲の大きな命題(真髄といってもいいかもしれません)が浮かび上がってきました。

敬愛されているアッバードはスタンディングオベイションの中、盛大な拍手を受けていました。

     hakaru matsuoka

 

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