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2007年5月20日 (日)

バレンボイム・ネトレプコ マスネ「マノン」

松岡究です。昨日は熱い一日でした。気温も24度くらいまで上がったそうで、部屋の中のほうが涼しいかったですね。

昨日はちょっと油断してて、オペラの公演に間に合うか合わないか位のぎりぎりの時間に行くと、国立歌劇場の横の広場には数千人の人だかりが。「こんな時に限って」と人を掻き分け掻き分け、7時ちょうどに2階の右サイドのほとんど舞台が見えない席に飛び込むと、舞台上に大きなスクリーンがあって、広場でやっているベルリン市長やBMWのお偉いさんの話を中継しているではありませんか。実は昨日は国立歌劇場が市民のために広場を開放してそこにも大きなスクリーンを配し、逆に歌劇場で行われるオペラを生中継すると言うお祭り。題して「全て人々のための国立歌劇場」

演目   マスネ「マノン」

配役    マノン・レスコー:アンナ・ネトレプコ

       騎士デ・グリュー:フェルナンド・ポルターリ(ローランド・ヴィラツォンの代役)

       レスコー(マノンの従兄):アルフレード・ダーツァ

       伯爵デ・グリュー:クリストフ・フィッシェサー

       ギヨー:レミー・コラッツァ  他

   指揮:ダニエル・バレンボイム

   演出:ヴィンセント・パターソン

まずマスネの音楽がこれほど魅力的で劇的なのには大変驚きました。それは勿論バレンボイムの表現が大変起伏に富み、雄弁且つ繊細だったからに他ならないのですが、マスネという作曲家をここまでやっちゃうなんて、彼の懐の深さに改めて脱帽しました。

この演目の一番の目玉はなんと言ってもネトレプコ!舞台に登場しただけで(2/3は舞台が見えない席でしたが)舞台が華やぐ稀なる才能の持ち主。そしてなんと言ってもそのチャーミングな歌声。上から下まで全く音色の変化が見られない完璧な発声とコントロールはいまや世界一の人気を裏付ける確たる証拠。

本当はもう一人目玉がいたのですが、昨日は病気で降板になりました。しかし代役のポルターリはヴィラツォンを補って余りある素晴らしい出来。ネトレプコに負けないくらいの歓声と拍手をもらっていました。彼の発声も無理なく、フォルテからピアニッシモまで完璧にコントロール出来る技術をちゃんと持っています。

パターソンの演出も大変美しい舞台を作っていました。ただスポットライト隊が出てくるのはちょっと閉口しましたが。つまり何の脈力があるのかそういう意味があるのかが全く不明です。

今年4月29日にプレミエを出して以来昨日が最後の「マノン」の公演でした。

   hakaru matsuoka

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