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2007年5月31日 (木)

ベルリンコーミッシェオパー グルック「タウリスのイフィゲニー」

松岡究です。今日は一日肌寒い一日でした。皆コートを着たりジャケットを着たりしていました。勿論T-シャツの人もいますけど。夜の7時にオペラが始まって、終わったのが8時50分。劇場から出てくるとまだ明るいんです。妙に感激してしまいました。本当に一日が長くて、ヨーロッパの人たちにとってはたいへん貴重な夏なんだとあらためて思いました。

演目  グルック:「タウリスのイフィゲニー」

  配役  イフィゲニー:ゲラルディーネ・マックグレーヴィー

       オレスト:ケヴィン・グリーンロウ

       ピラーデス:ペーター・ロダール

       トアス:ロニー・ヨハンセン

       ディアナ:エリザベス・シュタルツィンガー

   指揮:ポール・グッドウィン

   演出:バリー・コスキー

休憩無しで上演された約1時間45分。舞台と音楽が緊密に結びついたたいへん素晴らしい上演でした。これほど緊迫感が最初から最後まで張り詰め、見ている人を飽きさせない上演も珍しいでしょう(4月22日プレミエ)。まず演出の力。昨日と同じコスキーの演出。舞台奥に光の当て方で変わる大きな抽象画を配し、それが場面の心理を的確に表していきます。それが時に涙したり、大きな慟哭を表していたりと素晴らしい発想。また歌手達も素晴らしい迫真の演技でその緊迫感を持続させます。音楽は指揮のグッドウィンの古楽器奏法を用いた緊迫感溢れる素晴らしい演奏と、歌手・合唱とも緊密な連絡を取った素晴らしいアンサンブル。ここまで息がぴたりとあって、空きのないオペラ上演も珍しいのではないでしょうか。また一つ素晴らしい舞台が出現しました。勿論今期も後3回上演され、来期も勿論コーミッシェオパーのレパートリーとして上演されます。

   hakaru matsuoka

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2007年5月30日 (水)

ベルリンコーミッシェオパー モーツァルト「フィガロの結婚」

松岡究です。このところ毎日夕立が降っています。今日も午後4時ころから1時間くらい夕立がありました。ベルリンの上空で暖かい空気と冷たい空気が交錯しているんでしょう。気温の較差が激しいです。

それから今日はオパーのオケのヴィオラ奏者の西山雄太君のご両親と劇場でばったりと再会し、観劇後雄太君とキンボーさんとご両親、日本からのお客様の浜野さんらと楽しい時間を過ごしました。

演目   モーツァルト:フィガロの結婚

配役

    伯爵:ギュンター・パーペンデル

    伯爵夫人:ベッティーナ・イェンセン

    フィガロ:ジェームス・クレスウェル

    スザンナ:ブリギッテ・ゲラー

    ケルビーノ:エリザベス・シュタルジンガー

    バジリオ:クリストフ・シュペート

    バルトロ:イェンス・ラルセン   他

  指揮 キンボー・イシイ=エトー

  演出バリー・コスキー

今日のフィガロはとてもいいテンポ感で、物語がどんどん進行して退屈せずたいへん楽しめる劇になっていました。それはとりもなおさずキンボーのテンポ設定の成功が第一で、3年前からこの演出でやってきた歌手陣のアンサンブルのよさにあります。

今日は今シーズン最後のフィガロの公演でしたが、たいへん充実した内容に満足。

   hakaru matsuoka

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2007年5月28日 (月)

トン・コープマン指揮ベルリンドイツ交響楽団演奏会

松岡究です。昨日一昨日とベルリンは激しい雷雨と突風に見舞われました。特に昨日は夕方6時前から突然真っ暗になり、激しい雹が雨とともに降り、突風が吹き荒れました。もう凄まじいのなんの、ベートーヴェンの「田園」の4楽章もひょっとしたらこういった天気を描いているのでは、と思いました。

曲目   J・S・バッハ:管弦楽組曲第1番BWV1066

      J・S・バッハ:カンタータ「満ち足りた安らぎ、望まれし喜びよ」BWV170

      C・P・E・バッハ:オラトリオ「聖なるかな」Wq217

      メンデルスゾーン:交響曲第2番変ロ長調「賛歌」Op52

  アルト:ボグナ・バルトス

  ソプラノ:リサ・ラルソン

  テノール:ヴェルナー・ギューラ

  合唱:RIAS室内合唱団

  指揮:トン・コープマン

曲目を見てわかるように長いコンサートでした。しかし内容はとてもいいものだったと思います。DSO(ベルリンドイツ交響楽団)は基本的にやはりノンビブラート奏法。しかしところどころコープマンの指示でビブラートがつけられています。しかし紛れも無くバロックの典雅な音がオケから聞えてきました。

2曲目のカンタータは当初ソロをするはずだったカウンターテナーのアンドレアス・ショルのために設けられたもののようだった用ですが、その当人が病気で降板。変わってボグナ・バルトスが歌いました。正直な感想を言えば、ショルが下りたのなら、無理をしてやらなくても良かったのじゃないでしょうか。それよりもコープマンはメンデルスゾーンでショルを歌わせるつもりだったのでしょうか?そちらの方が気になりました。

3曲目のエマニュエル・バッハの短いオラトリオはたいへん小気味のいい、コープマンの持ち味である歯切れのよさと相俟って、たいへん充実した素晴らしい演奏でした。オケもコーラスも2群に分かれ、立体的なとても面白い曲でした。

今回のRIAS室内合唱団は女声19名、男声17名の計36名です。

後半のメンデルスゾーンの交響曲は約70分かかる大曲。全体は2部構成ですが、第1部のシンフォニアは通常の交響曲の1~3楽章と考えて差し支えありません。そして第2部の「賛歌」は合唱と3人のソリストを交えた壮大な素晴らしい曲です。昨年の1月に私も指揮したのですが、その時のことを今日は思い出しながら聴いていました。

オケを5・4・3・2・1.5とかなり絞り込んでやったのはどうだったでしょうか?ここまでなると室内オケのようになり、通常フル編成でやっているオーケストラはバランスが悪くなり(つまり金管が強くなったり)弦楽器が霞んでしまいます。今日も特に第1部の所謂第1楽章のところがかなりバランスが悪かったですね。通常に室内オケとして活動しているところの方が残念ですがうまく聞えます。しかし第2部になってから音楽は輝きを増し、演奏にも熱が入り感動的な終演でした。その立役者はやはりRIAS室内合唱団でしょう。36人の少人数ながら濁りのない、透明且つ力強い合唱はまず褒め称えられるべきです。あと独唱ではラルソンとギューラが素晴らしかったです。2人ともまさにオラトリオを歌う声で品格がありました。

コープマンは歯切れの良いシャープな音楽作りが身上だと思いますが、落ち着きと言うかしっとりした深いものが少々希薄で、特にメンデルスゾーンの第1部のような曲にはちょっと不向きなような気がしました。

   hakaru matsuoka

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2007年5月26日 (土)

ベルリンコーミッシェオパー ロッシーニ「セビリアの理髪師」

松岡究です。今日も熱い一日でしたが、オペラが終わって外に出ると通り雨があったらしく道がぬれていました。気温もぐっと下がって、半袖では寒いかな?というくらいに気温が急降下。「でも本当はこのくらいの気温がベルリンの今の時期の気温のはず」などと思いながら帰宅しました。

演目   ロッシーニ:セビリアの理髪師

配役  アルマヴィーヴァ伯爵:トーマス・ミハエル・アレン

     ロジーナ:カロリーナ・グモス

     バルトロ:マンフレッド・ザブロウスキ

     フィガロ:クラウス・クトラー

     バジリオ:ハンス・ペーター・シャイデッガー  他

   指揮:キンボー・イシイ=エトウ

   演出:ダニエル・スラター

大変楽しめた一夜。特にフィガロのクトラーがいいですね。いかにもイタリア的な明るい良く通る声と達者な演技で、今日の一押し。バルトロのザブロウスキも達者な演技で素晴らしい。バジリオのシャイデッガーは立派な声を持っていながら、それを生かしきれていないので、もう一つ演技にもそのキャラクターが生きてこなくて惜しいですね、声がいいだけに。ロジーナのグモスと伯爵のアレンは共にいいのですが、もう一つインパクトに欠けるのが惜しい。

指揮のキンボーも尻上がりに良くなって、とても良いテンポを作っていました。少しオケに傷はあったものの、全くの許容範囲。

それにしてもこのオペラをドイツ語でやるのには出演者皆がかなり意識してやらないと重く泥臭くなってしまうと思うんですが、それは杞憂に終わり、逆にドイツ語で大変軽快にやっていたところは素晴らしいとしか言いようがないです。

   hakaru matsuoka

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2007年5月25日 (金)

小澤征爾指揮ベルリンフィル演奏会

松岡究です。またまたこちらで風邪を引いてしまいました。結構しつこくて閉口しています。ベルリンは昨日は割りと過ごしやすい日でしたが、きょうはまた暑さが戻ってきました。湿度が気になりますね。ちょっとヨーロッパにしては変な気候です。

今日フィルハーモニーを入ったところで、関さんとばったりお会いしましたら、ただ券があるからということで、私の18ユーロの最低ランクの席は78ユーロの最高ランクの席で聴けるということになりました。関さん有難うございました。

曲目   プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調作品16

      チャイコフスキー:交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」

  ピアノ:ユンディ・リー

  指揮:小澤征爾

最初のプロコフィエフは、胸のすくような快演。こういったリズミカルな曲を振る小沢さんは天才的な指揮をします。持って生まれた敏捷性とリズム感のよさ切れ味のよさが思う存分発揮され、血沸き肉踊るような快感。リーのピアノも変な癖がなくのびのびとしており、大きく育っていく可能性を充分に感じさせるピアノでした。

そういえば私が学生の時に小沢さんが野島稔さんと確か田宮堅二さんとショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲第1番を指揮したときもそのリズム感の素晴らしさ、踊るような指揮の姿に打ちのめされたのを思い出しました。

後半のチャイコフスキー。多分練習が足りなかったのか、少し事故の多い演奏になってしまいました。小沢さんのベルリンフィルの演奏は3日間のうち3日目が必ずといっていいほど良くなると言うことを聞いたことがあります。1ヶ月前のブルックナーの第2番も3日目の演奏でしたが、これはもう大変な名演でした。今日は初日、明日明後日とどんどん良くなっていくのではないでしょうか。今回このチャイコフスキーはライブ録音されているそうです。

   hakaru matsuoka

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2007年5月22日 (火)

フライブルガーバロックオーケストラ演奏会

松岡究です。今日はベルリンはうだるようなと暑さ。ベルリンは湿地帯だったので湿度も高く、全く日本と同じです。日本はほとんどのところに冷房がありますが、こちらはほとんどないので、こういう暑さはこたえますね。

曲目    オールモーツァルトプロ

       交響曲第1番変ホ長調Kv.16

       ピアノ協奏曲第27番変ロ長調Kv.595

       クラリネット協奏曲イ長調Kv.622

 ハンマークラヴィーア:アンドレアス・シュタイアー

 バセットクラリネット:ロレンツォ・コッポラ

 リーダー:ゴットフリート・フォン・デァ・ゴルツ

フライブルガーバロックオケは毎年5・6回ベルリンで定期的にコンサートを開催しています。私はどういうわけか今までタイミングが合わず、今回初めて聴きました。

コンサートマスターのフォン・デァ・ゴルツがリードしながら指揮者無しで演奏します。まずはモーツァルトが8歳ないし9歳の時に作曲した交響曲第1番。適度なアゴーギグとコントラストをつけた佳演で、このオケの質の高さを早くも認識させられました。勿論全員が古楽器でノンヴィブラートによる演奏。しかしところどころアクセント的なヴィブラートを使い、それが大変効果を上げているように聞えました。それは次の協奏曲ではもっと効果を発揮しているように思えました。

次の最後のピアノ協奏曲。ハンマークラヴィーアがこれほど繊細な楽器だとは恥ずかしながら今日まで知りませんでした。奏者のシュタイアーはこの楽器から気品のあるまた時には躍動感のある、そしてひなびた音色の中にこれ以上純化され得ない魂の音を表していたのではなかったでしょうか。オケはハンマークラヴィーアと一緒に音を出す時は弦楽5重奏になり、全奏はクラヴィーアが弾いていない時だけ。それが大変な効果を生み、1楽章がこれほどデモーニッシュで鬼気迫る音楽になるとは思っても見ませんでしたし、2楽章はもうほとんど魂の音楽に、そして3楽章がこれほど哀歓を湛えた音楽になるとは、いやそういう音楽であるのですが、曲の背後に見えてくるものが違うと言ったらいいのでしょうか、やはりこの作品は他の26曲のピアノ協奏曲とはまるで次元の違う音楽だと言うことが良くわかりました。

最後のクラリネット協奏曲。これは古今東西の協奏曲の中でも、「余りにも美し過ぎる」と言うべきものでしょう。バセットを吹いたコッポラが素晴らしい音色とコントロールで、これまたバセットクラリネットと言う楽器の素晴らしさをまざまざと見せ付けてくれました。こういったオリジナルの楽器で素晴らしい演奏を聴くと、今まで見えてこなかった曲の背景が見えてくるのは今日の大いなる発見でした。

    hakaru matsuoka

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2007年5月20日 (日)

バレンボイム・ネトレプコ マスネ「マノン」

松岡究です。昨日は熱い一日でした。気温も24度くらいまで上がったそうで、部屋の中のほうが涼しいかったですね。

昨日はちょっと油断してて、オペラの公演に間に合うか合わないか位のぎりぎりの時間に行くと、国立歌劇場の横の広場には数千人の人だかりが。「こんな時に限って」と人を掻き分け掻き分け、7時ちょうどに2階の右サイドのほとんど舞台が見えない席に飛び込むと、舞台上に大きなスクリーンがあって、広場でやっているベルリン市長やBMWのお偉いさんの話を中継しているではありませんか。実は昨日は国立歌劇場が市民のために広場を開放してそこにも大きなスクリーンを配し、逆に歌劇場で行われるオペラを生中継すると言うお祭り。題して「全て人々のための国立歌劇場」

演目   マスネ「マノン」

配役    マノン・レスコー:アンナ・ネトレプコ

       騎士デ・グリュー:フェルナンド・ポルターリ(ローランド・ヴィラツォンの代役)

       レスコー(マノンの従兄):アルフレード・ダーツァ

       伯爵デ・グリュー:クリストフ・フィッシェサー

       ギヨー:レミー・コラッツァ  他

   指揮:ダニエル・バレンボイム

   演出:ヴィンセント・パターソン

まずマスネの音楽がこれほど魅力的で劇的なのには大変驚きました。それは勿論バレンボイムの表現が大変起伏に富み、雄弁且つ繊細だったからに他ならないのですが、マスネという作曲家をここまでやっちゃうなんて、彼の懐の深さに改めて脱帽しました。

この演目の一番の目玉はなんと言ってもネトレプコ!舞台に登場しただけで(2/3は舞台が見えない席でしたが)舞台が華やぐ稀なる才能の持ち主。そしてなんと言ってもそのチャーミングな歌声。上から下まで全く音色の変化が見られない完璧な発声とコントロールはいまや世界一の人気を裏付ける確たる証拠。

本当はもう一人目玉がいたのですが、昨日は病気で降板になりました。しかし代役のポルターリはヴィラツォンを補って余りある素晴らしい出来。ネトレプコに負けないくらいの歓声と拍手をもらっていました。彼の発声も無理なく、フォルテからピアニッシモまで完璧にコントロール出来る技術をちゃんと持っています。

パターソンの演出も大変美しい舞台を作っていました。ただスポットライト隊が出てくるのはちょっと閉口しましたが。つまり何の脈力があるのかそういう意味があるのかが全く不明です。

今年4月29日にプレミエを出して以来昨日が最後の「マノン」の公演でした。

   hakaru matsuoka

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2007年5月19日 (土)

アッバード指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団演奏会

松岡究です。昨日は快晴で気温も19度から最低が8度と清清しい一日でした。

アッバードはベルリンフィルの監督を辞任してからもベルリンフィルとは良好な関係を保っているようで、毎年1回必ず客演しています。チケットの入手は大変困難で、必ず売り出しの日に3日間のコンサートは売切れてしまいます。

曲目  J・S・バッハ:ヴァイオリンと弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ短調(チェンバロ協奏曲BWV1052の編曲による)

     クルト・ワイル:ヴァイオリンとブラスオーケストラのための協奏曲作品12

     ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90

  ヴァイオリン:コーリャ・ブラッハー

  指揮:クラウディオ・アッバード

最初のバッハの作品は予告無しで取り上げられた作品。多分ワイルとブラームスでは演奏会が短いので、取り上げられのだろうと思います。しかし大変素晴らしい演奏。気品と陰影が同居して、またヴァイオリンが大活躍するように編曲されていて、大変楽しめました。バロックや古典の作品を演奏する時にはオーケストラはノンヴィブラートで演奏することはもう常識のような気がします。今回もそうでした。

ワイルの作品も輪郭がはっきりとしてとても美しく仕上げられた演奏でした。ただワイルの独特の「毒」とでも言うか、退廃的な雰囲気は後退してもうほとんど古典派の世界になっていたのは、少し残念でした。こういう作品は演奏にもう少しリアリティーがほしいですね。

休憩の時(午後9時ころ)、フィルハーモニーから眺める西の空は夕焼けでとても綺麗。そうなんです。午後9時でもまだ明るいんです。

メインのブラームス。ベルリンフィルのトップ奏者でも間違いはあるものですね。第1楽章の第2主題の途中で突然2小節間メロディーがなくなってしまいました。どうしてだろうとしばらく観察していました。アッバードは前半は大変素晴らしい集中力で振っていたのですが、このブラームスでは少し集中力を欠いていたように見受けられました。と言うのもその第1楽章での事故もさることながら、棒が1拍先に行っていることがしばしばで、ベルリンフィルもそれでは大変だったろうと思いました。ベルリンフィルとの関係があまりない指揮者だったら、もっと大変な事故が続出していただろうと思います。以前にこの3番をベルリンフィルでどなたかがやったときは、ほとんど空中分解していたと言うことをこちらに住んでいらっしゃる関さんから聞いたことがあります。今回のコンマスは安永さんでしたが、さぞ大変だったろうと思います。

音楽的な解釈でとても納得したことは、2・3・4楽章をアタッカ(休まず続けて演奏すること)で演奏したことです。本当なら全楽章そうしてもらいたかったのですが、アタッカで演奏することによって、この交響曲の大きな命題(真髄といってもいいかもしれません)が浮かび上がってきました。

敬愛されているアッバードはスタンディングオベイションの中、盛大な拍手を受けていました。

     hakaru matsuoka

 

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2007年5月18日 (金)

ベルリンドイツオペラ ロッシーニ「セミラーミデ」

松岡究です。今朝起きてインターネットで気温を見ると何と8度。昼間も13・4度くらいで推移していたようです。思わずまたダウンコートを出してしまいました。それから今日は祝日で、すっかり忘れていた私は、ほとんどの店が閉まっているので食べ物を探し回っておりました。

演目  ロッシーニ「セミラーミデ」

配役  セミラーミデ:イアノ・タマール

     アルサーチェ:マリナ・プルデンスカヤ

     アスール:イルダール・アプドラザコフ

     イドレーノ:ブルース・フォウラー

     アゼーマ:ジャクリン・ワグナー

     オローエ:ラインハルト・ハーゲン

     ミトラーネ:ヨセップ・カン  他

 指揮:アルベルト・ゼッダ

 演出:キルステン・ハームス

ゼッダがピットに姿を現すや否や、早くもブラボーの声。序曲が始まりそれが終わるとまたもや「ブラボー!」の声。う~ん、そんなに今の演奏良かった?と聞いてみたくなりました。確かに、世界的なロッシーニの権威でいらっしゃいますが・・・・毎年ベルリンドイツオペラでゼッダは1演目を振っていますが、オーケストラの出が合わないことがしばしばで、音色もくすんだ音色になってるんですが、どうして皆そんなに最初から騒ぐのかちょっと???なんです。(ファンと言うものはそういうものかもしれませんが)

今日も1幕1場までは低調な感じでした。しかし2場の空中庭園の場面あたりから、歌手達も温まってきたのか、ゼッダが乗せたのか、音楽が俄然輝きだし主な役どころの歌手達のコロラトゥーラの競演が見事に決まり始めました。それは最後まで続きこのロッシーニにしては珍しい悲劇的メロドラマの4時間10分に及ぶ長い時間を飽きさせずに楽しませてくれました。(時差でちょっと眠くなりましたけど)

歌手達は大変素晴らしく、中でも女性3人は甲乙つけがたくいずれも素晴らしい出来。私の好みで言えばプルデンスカヤのアルサーチェは決して日本人にはない深い奥行きのある声でコロラトゥーラを見事に決め、爽快でした。男声ではアッスールのアプドラザコフが度肝を抜くような凄い声で細かいパッセージを歌いきって、これも圧巻。

ゼッダは本当にロッシーニを愛してるんだなとわかるような溌剌とした指揮で、1幕2場以降を的確にリードしていました。

演出は時代設定は現代ですが、物語の大筋はオリジナルをほとんど踏襲しており、違和感なく見れました。

   hakaru matsuoka

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2007年5月17日 (木)

5月16日ベルリンに戻りました

松岡究です。今ベルリン時間で午後9時35分です。

今回機内で読んだ本は、山内昌之「嫉妬の世界史」、マダム・ホー「お金と愛情の法則」。映画は黒澤監督の「天国と地獄」、周坊監督の「それでもボクはやってない」。

「嫉妬の世界史」、このような観点から歴史を眺めるとまた違ったものが見えてきたりしますね。ちょっと今までの私なりの人物評価が変わった部分もありました。例えば森鴎外。そんなに作品を読んだわけではないのですが、実直な人柄かと思っていたのとはまるで逆で、嫉妬深い名誉欲の旺盛な医者だったようです。

「お金と愛情の法則」、世界の一流の男達の考え方が良くわかる本でした。

「天国と地獄」、143分に及ぶ大作映画。面白くてちっとも長く感じませんでした。ただ地獄は良くわかりましたが、天国は?それはこの映画を見た一人一人が考えるものなのかな、と思いました。

「それでもボクはやってない」、日本の裁判のあり方・問題点がよくわかる秀作です。これを見ると民間からの裁判員制度が何か今の日本の裁判に革命的なことを起こしてくれるのではないかと勝手に想像してしまいました。しかし満員電車には乗りたくないです。この映画も143分でした。

    hakaru matsuoka

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2007年5月15日 (火)

ミンクス室内オケ 米子・倉吉(アザレアの街音楽祭オープニングコンサート)公演

松岡究です。5月12日米子でのミンクス室内オケ定期、5月13日アザレアの街音楽祭オープニングコンサートいずれも無事に終了いたしました。

曲目はモーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」

          ソプラノ:12日  松田(恩田)千絵

               13日  寺内智子

     ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調

          ピアノ:小谷郁美

     ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調

毎年5月にミンクス室内オケと米子・倉吉で演奏するようになって15年くらいになるでしょうか。私の毎年の楽しみでもあり、毎年面白いことにこのオケは進化しています。少しずつ若いメンバーも入りながら、基本的には15年不変のメンバーでやってきたことが良いのだと思いますが、一人一人の音楽・アンサンブルが成熟し音楽がわかっていくことの「確たる証拠」がここにあります。

今回も勿論傷はあるものの、切れの良い溌剌とした音楽を奏でてくれました。ソリストも素晴らしい音楽を披露してくれましたし、皆よく頑張って過酷なスケジュールの中で良い音楽を奏でてくれたと思います。欲を言えば倉吉の開演時間がもう少し遅いと、強行軍のスケジュールから解放され、余裕を持って音楽に取り組めるのではと思いました。

   hakaru matsuoka

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2007年5月 7日 (月)

合奏団ZERO第1回定期終了しました

松岡究です。昨日は連休中また、雨と言う天候にもかかわらずお出で頂きまして有難うございました。無事終了いたしました。

第1回という妙なプレッシャーの中でオケの皆は大変よくやってくれました。私は指揮者として大変楽しい時間を過ごさせてもらいました。ただ残念だったのが、杉並公会堂がまだ開場して間もないと言うこともあり、音がブレンドされる前に客席に届いてしまうような感じであった事。私がベルリンにいることもあり、あともう一日練習できたら良かった、ということ。この2点はこれからの改善点でしょう。

モーツァルトの「ジュピター」は音楽的に満足のいく出来でした。ただビブラートの問題(ノンビブラート)が徹底できなかったのがこれからの課題でしょう。最初からあまりうるさく言うと自発性や躍動感等の大切な部分が失われる恐れがあったので、あまり口うるさくは言わなかったのですが、これから少しずつやっていくことにします。

マーラーは傷が多くて少し残念でしたが、その表現においては皆良くやったのではないかと思います。本番でのミスと言うのはある意味ではつき物ですが、それに甘えていては今後はありません。気持ちを引き締めて、しかしミスを恐れることなく今後も積極的に音楽表現して行ってほしいと思います。

   hakaru matsuoka

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2007年5月 1日 (火)

「現代音楽」について

松岡究です。先日ロジカルさんとモトリオンさんから私の「現代音楽」の投稿に対するレスがありました。お二人の仰ることは大変良くわかるのですが、私の文章の稚拙さがこのようなご批判に結びついたと思います。つまり今自分で読み返しても言葉がまるで足りなかったと思います。しかし書き直すには膨大な資料と膨大な時間を要するように思います。従いまして、一度この「現代音楽」の投稿は5月10日を持って一度削除させていただき、時間を置いてもう一度書く努力をしてみたいと思います。

特にレスを頂いたお二人には感謝いたします。自分を見つめる良い言葉をいただきました。有難うございます。尚、なぜすぐ削除しないかと言うと、私の稚拙な文章を一人でも多くの皆さんにご覧頂いておきたいという思いからです。

閑話休題。今回の帰国に際し、読んだ本と映画のご報告を忘れておりました。本は重村智計さんの「外交敗北」。映画は黒澤監督の「椿三十郎」「命のちから」の2本。重村さんの本は改めて日本の今までの外交の貧弱さと日本の特殊性について考えさせられました。「椿三十郎」は黒澤の映画でも一番楽しめました。「命のちから」は私のような人間には大変力付けてくれる映画でした。

   hakaru matsuoka

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