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2007年4月 1日 (日)

ベルリン放送交響楽団&モンテ・カルロフィルハーモニー合同演奏会

松岡究です。今日は指揮者のヤノフスキが主席指揮者を務めている2つのオーケストラの合同演奏会です。弦楽器だけでも80人(20型)、管・打で60人。ソリストが6人、合唱が男声が約120名、女声が約80名。そして指揮者。と言う馬鹿でかい編成。

曲目   シェーンベルク:グレの歌

   ソプラノ(トーヴェ):エヴァ・マリア・ヴェストブロック

   メゾソプラノ(ヴァルトタウベ):ぺトラ・ラング

   テナー(ヴァルデマール):ステファン・グールト

   テナー(クラウス・ナール):アーノルド・ベツイェン

   バス(バウアー):クワンチュル・ユン

   語り手:フランソア・ル・ルー

   合唱:ベルリン放送合唱団、MDRライプツィッヒ放送合唱団

   合唱指揮:ハワード・アーマン

  指揮:マレク・ヤノフスキ

正味2時間に及ぶ大曲。シェーンベルクの調性時代の集大成ともいえる金字塔。この後しばらくしてシェーンベルクは12音理論を発明しそちらの方面へ深く入っていくことになります。この曲を聴いていると、シェーンベルクはそんなに聴こえて来ないと言うか、ワグナーとR・シュトラウスを足してフランス風な味付けをしたように聴こえて来ました。この2時間の間、なぜシェーンベルクが12音に走ったかと言うことが、逆に強烈にわかっってしまうんですね。このような作品を書き得た彼は、これ以上どこに彼は自分の身を置いたらいいのかということに、物凄く悩んだことだろうと思うのです。やはりシェーンベルクの個性は12音を極めていた作品にこそその真価はあるのだろうと改めて思います(特に「オーケストラのための変奏曲」、「月に憑かれたピエロ」、オペラ「モーゼとアロン}は大傑作でしょう)。でも「浄夜」を初めいくつかの調性のある室内楽作品も私は大好きではあります。

ヤノフスキは2つのオケを見事に統率し、大編成からは考えられないくらいの精緻な音を引き出し、作品の真価を見事に描ききっていたと思います。彼は良い腕を持った素晴らしい指揮者です。合唱も素晴らしく、これぞプロファッショナル!24日に聴いたエルンスト・ゼンフ合唱団とは天と地ほどの差がありますね。

歌手もおおむね良く、特にステファン・グールトはよかったです。またラングは6人の中で一人暗譜で歌っていました。

   hakaru matsuoka

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