バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団 マーラー交響曲第7番 ベルリンフェストターゲ
松岡究です。イースターの日曜日。散歩に出てみましたがいつものような人通りはほとんどなく、閑古鳥状態。店もマクドナルドとダンキンドーナツ以外は休みと言う感じ(勿論中華店とかトルコ料理店はやってるところが多いですけど)。余りの人の少なさに唖然。
曲目 マーラー:さすらう若人の歌
交響曲第7番ホ短調
バリトン:トーマス・クヴァストホフ
指揮:ダニエル・バレンボイム
今日も一昨日と同じ組み合わせによる演奏会。クヴァストホフは一昨日と変わらず曲の内面に迫ろうとする気迫がみなぎっています。歌曲のリサイタルを聴いても思うのですが、彼は歌いながらどんどんと集中して行き、その深みに到達しうる人のように思います。ですから最初の歌いだしがいつも私は不満なのです。声が硬いし時々破綻を起こすこともあります。しかし集中していった時の歌の表現力は素晴らしく、今日も2曲目くらいからその表現が聴けました。出来は一昨日の方が勝ってたんじゃないかな。
後半7番のシンフォニー。バレンボイムが登場するや、指揮台に上がってお辞儀、オケのほうに振り返ったら急に引っ込んでしまいました。係りの人が譜面台を出すのを忘れたらしく会場にはどよめきが。係りの人が舞台に用意して譜面の表紙を確認、と同時に会場から笑いが起こり、再度バレンボイムが登場。バレンボイムも表紙を確認(茶目っ気たっぷり)、とまたもや場内大爆笑。いやあいいですね、この雰囲気。日本だったら、「なあ~んだ、暗譜じゃないのか」とか「白けさせるな」などの声が聞えてきそう。そのあとバレンボイムもオケも聴衆もすぐに音楽の態勢に。
そして7番が始まりました。この曲、ぶっちゃけた話、マーラーの中で唯一振ってみようとは思わない曲。しかしバレンボイムの演奏を聴いていると、晦渋なこの曲が非常に古典的に聞えて来ます。5番の時よりもきっちりした指揮。そして時には唸りも入るような高い集中力。形がしっかりしているのに、常人では考えられないような音楽の「粘り腰」みたいなのがあって圧巻。(ただ5番で見せた音楽の熟成はあまり聞えてこなかったし、ピアノやピアニッシモも5番の方が圧倒的に素晴らしかった。)
今夜はバレンボイムに感謝!7番に対するアレルギーみたいなものが無くなった気がします。ただ5番のような圧倒的な表現をしなかったのか、出来なかったのか、まだそこまで熟成されてないのか、やはり7番と言うのは大変に難しい曲ではありますね。
hakaru matsuoka
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