ベルリンドイツ交響楽団演奏会
松岡究です。きょうからこちらは夏時間になりました。従って日本との時差は7時間です。私は目撃しました。ベルリンのアパートに8ユーロくらいで買った電波時計があるのですが、午前2時59分59秒の次は午前3時ではなく、午前4時ちょうどになったのです。逆に冬時間になるときは多分もう一度午前2時になるのではないかと思います。これは確認してませんが。
今日は大変暖かく15度くらいまで気温が上がったようです。もう寒いのはいいです。徐々に暖かくなってほしいところです。
曲目 ストラヴィンスキー:交響詩「小夜啼鳥の歌(うぐいすの歌)」
ベルリオーズ:夜の歌
ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」
ソプラノ:スーザン・グラハム
指揮:インゴ・メッツマハー
今年の9月からこのDeutsches Symphonie Orchester Berlin(DSO)の主席指揮者に就任するメッツマハーの指揮で行われた演奏会は、期待を裏切らない素晴らしい一夜でした。
ドイツ人であるのにその指揮スタイルは重いものをあまり感じさせない、むしろシャープで柔らかく滞らない現代的な指揮をする人です。それは若い時から現代音楽のスペシャリストとして彼が歩んできたことと深い関係があるのだと思います。
ストラヴィンスキーは少々上滑りなところが無きにしも非ずで、ちょっと何が言いたいのかわからなかったのですが、後半のツェムリンスキーはとても良い演奏。センスがよくて適当に粘り気があり、全く滞らずどんどん流れていくのです。これからベルリンの聴衆にどう受け入れられるのか興味が尽きないところです。
真ん中に歌われたベルリオーズの「夏の歌」はスーザン・グラハムの名唱によってその作品の真価を見せ付けてくれました。彼女はフランス物、特にベルリオーズのスペシャリストですがその名に恥じず、気品と柔らかな発声と音楽性で見事に歌ってくれました。特に2曲目「薔薇の精」、4曲目「嘆きの歌」は絶品で、ウットリさせられることしばしば。メッツマハーも歌を引き立て、ピアニッシモをうまく使って曲の世界を充分に表現し佳演。聴衆も大満足のようでした。
現代音楽のスペシャリストとして鳴らしてきただけに、その音楽はひょっとしたら冷たくて機械的で血が通ってないのではないかと思っていたのですが、それは全くの杞憂に終わりました。彼の音楽は素敵でした。これからを期待します。
hakaru matsuoka
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