ベルリンドイツオペラ ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」
松岡究です。実は昨日まで3日間だけドレスデンに行っておりました。ホテル(三ツ星のコンフォート)だったので、インターネットにつなげる環境になかったので、折にふれ報告いたします。今日はそのドレスデンから帰って来てすぐ行ったものです。
演目 ヴェルディ:シモン・ボッカネグラ
配役 シモン・ボッカネグラ:ロベルト・フロンターリ
ヤコポ・フィエスコ:ロベルト・スカンディウッツィ
パオロ・アルビアーニ:ラルフ・ルーカス
アメーリア(マリア):タマール・イヴェリ 他
指揮:アッティリオ・トマセッロ
演出:ロレンツォ・フィオローニ
客の入りは4割くらいだったと思います。リングの時とは打って変わって、全くの不入り。しかし上演の質はハイクオリティー。主役と言える4人はもとより早くの男性陣も素晴らしい歌唱と声。この作品は物語が少し難しいのと音楽が地味(私は滋味と書きたいです)なので、なんとなく不人気な作品。しかし私に言わせればトラヴィアータやリゴレットに比べると実に充実した筆捌きだと思います。
まず第一に指揮のフィオローニが素晴らしい。実に落ち着いた柔軟な棒さばきで全体をコントロールしているのが手に撮るように良くわかります。歌い手も彼を信頼しているのがわかりますし、見ていて安心感があります。オケもいい音を出していましたが、ところどころ管楽器に音程のブレがあり、今のドイツオペラの現状を垣間見るような感じでした。
歌手では2人のロベルトが素晴らしい。2人ともイタリアオペラの醍醐味を満喫させてくれました。またマリア(アメリア)のイヴェリも素晴らしいソプラノ。フォルテからピアノまであのリリックな声で良くコントロールされていました。
演出はどうかな?現代に置き換えてのことは毎度ながら、アメリアではなくマリアとして登場させたのは良くわからないです。マリアはオペラが始まるときには普通は死んでしまって、アメーリアはシモンの孫娘のはず。それがどういうわけか今回はマリアとしての登場。今シーズン今日が最後の上演なので、もう一度見て確認するわけには行きませんが、ただでさえわからない筋書きなのに余計わからなくなってしまいました。
今日は旅の疲れもありやめにしようと思っていたのですが、思い切って行ってみて良かったです。指揮者と歌手とのアンサンブルがいいと舞台は本当に締まりますね。
hakaru matsuoka
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