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2007年3月30日 (金)

ベルリンドイツオペラ ウェーバー「魔弾の射手」

松岡究です。この記事は3月27日に行われたオペラの記事です。ブログの調子がよくなくて繋がらなかったので、今日になってしまいました。

今日も大変良い天気でぽかぽかして気持ち良い一日でした。こちらには日本のような問題のある杉はありませんが、他の花粉が飛んでいます。それでちょっと目が痒かったりします。でも日本から今の時期にこちらに来た人は、花粉症からほとんど開放されるようです。

演目  ウェーバー:魔弾の射手

配役  オットカール:サイモン・ポーリー

    アガーテ:ミハエラ・カウネ(病気のマヌエラ・ウールの代役)

    エンヒェン:セシール・デ・ベーヴァー

    カスパール:ラインハルト・ハーゲン

    マックス:ウィル・ハルトマン 他

  指揮:レナート・パルンボ

  演出:ギュンター・クレーマー

3月24日にプレミエ。今日が2回目の本番でした。まず指揮のパルンボが良かったと思います。このオペラはやり方によっては大変田舎臭い、聞いていると音楽的な美点ではなく欠点ばかりが耳につきやすい音楽だと思うのですが、パルンボはやや速めのテンポで、生き生きと現代的に音楽を作り上げ、全く田舎臭さを感じさせずスマートにそして時には劇的に音楽を運んでいたのがとてもよかったと思います。

演出は、またしてもギュンター・クレーマー。彼は世界中で引っ張りだこですね。今回も期待に違わず良い舞台を作っていました。舞台に緊張感と神秘性があって見る人をあきさせず良かったと思いました。特に2幕のザミエルの場面では、ザミエルの演技が不気味で恐ろしくひきつけられましたし、3幕の舞台の青銅色のライティングは良かったと思いました。歌手ではマックスを歌ったハルトマンが張りのあるいい声でしたし、アガーテのミハエラ・カウネはピアノの表現が素晴らしくコントロールされ、大きな拍手を受けていました。彼女は2番手のアガーテで、今日は代役で出演していました。(本来はマヌエラ・ウールでした。)

今日はドイツオペラにしては珍しくほとんど満員で、多分初日の成功が2日目も人を読んだのではないかと思います。この舞台は良い舞台になると思います。

      hakaru matsuoka

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2007年3月29日 (木)

ベルリンドイツオペラ バッハ「マタイ受難曲」

松岡究です。今日はもうすぐイースターと言うこともあって、バッハの「マタイ受難曲」をオペラで見てきました。この時期になると、スーパーや八百屋にはホワイトアスパラが出回り始めます。私ももう2度ほど食べました。そしてイースターに合わせて各合唱団が「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」をこぞって取り上げ、マタイ・ヨハネのポスターだらけになります。

演目  J・S・バッハ「マタイ受難曲」

配役 エヴァンゲリスト:クレメンス・ビーバー

    イェス:マルクス・ブリュック

    ユダ:アンテ・ジェルクニカ

    ペトロ:サイモン・ポーリー

    ソプラノ:ジャクリーン・ワグナー フィオンヌアラ・マッカーシー ティナ・シェラー  

    アルト:サラ・ファン・デァ・ケンプ アンディオン・フェルナンデズ  他

  指揮:ザミュエル・ベヒリ

演出:ギュンター・エッカー ゲッツ・フリードリッヒ ディートリンデ・カルソウによる共同演出

オラトリオをオペラとしてやることには私は大賛成です。それだけの劇的内容を持っていますし、視覚的な要素も入って理解しやすくなるからです。ただ音楽的な犠牲はかなり覚悟の上でのことです。

今回も合唱が4階建ての団地式の装置に2つに分かれて歌っているため、何度もアンサンブルが乱れ、何とか持ち直すのですが如何ともしがたいものがありました。版をメンデルスゾーンの編曲版を使っているため、オーケストラもどちらかと言うとロマンティックにヴィブラートはかなりかけての演奏でしたし、歌い方も必然的にオペラティックになってアルトの2人などはオラトリオの歌い方ではありませんでした。しかしソプラノの2人(ワグナーとマッカーシー)は清楚にピアノを大事にした陰影のある歌を披露してよかったです。演奏会ではソプラノもアルトも一人で歌われることが多いですが、こうやって一つのアリアや重唱を違う人間が歌うとリアリティーが出て来るのは驚きでした。エヴァンゲリストのビーバー、イェスのブリュックどちらもすばらしかったです。

演出は、舞台から客席の左手奥まで長い廊下を臨時に作り、そこからイェスと弟子達が登場。舞台には合唱は上記の通り団地式に配置され、全ての受難が見えるように工夫されています。またこの春の風物詩であるホワイトアスパラ(イースターに合わせて街中に出回るこのSpargelを復活と掛けているのだと思います)の巨大なものが11本舞台に並び、それを動かして状況設定を作り上げていきます。中には勿論十字架状のホワイトアスパラもあります。イェスが死ぬまでを克明に描きながら、最後の合唱で復活したイェスが登場。何ともいえない感動を覚えました。最後、拍手が起こっても皆舞台で抱き合って祝福し合い、すぐに指揮者が舞台に登場してやっとカーテンコールとなりました。演じている人たち歌っている人たち皆が、このイースターを祝っているのだと感じ入りました。

   hakaru matsuoka

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2007年3月28日 (水)

ベルリンの友人佐藤雄平さんが完全帰国されました

松岡究です。ベルリンで大変お世話になった私の友人佐藤雄平さんが、今日ベルリンテーゲル空港からアリタリア航空で完全帰国されました。勿論1歳の華雄君と奥さんのカタリーナさんも一緒です。

彼の実家は山形県ですが、しばらくはそちらに滞在して日本での活動を始められるそうです。是非彼を応援してやってください。リリコ・レッジェーロのテノールです。

    hakaru matsuoka

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2007年3月27日 (火)

ドレスデンフィルハーモニー管弦楽団演奏会

松岡究です。ドレスデン2日目はドレスデンフィルの演奏会に行きました。会場はクルトア・パラストといって新しい馬鹿でかいホールです。なんとなくNHKホールを連想しました。間口がやたらに広く、音響もさして良くありません。

曲目   シベリウス:エン・サガ

      グロンダール:トロンボーン協奏曲

      ハイドン:交響曲第68番ニ長調

      バルトーク:「中国の不思議な役人」組曲

  指揮:ステファン・ソリョム

  トロンボーン:オラフ・クルンプファー

指揮のソリョムはまだ27歳の若い指揮者です。出身がスウェーデンだけにシベリウスが一番のよい出来だったように思います。会場が広すぎることもあって印象が散漫になったのは大変残念でした。

ハイドンでも楽しそうに音楽をやっているのは好印象でしたが、最後のバルトークが一番そうだったのですが、まだただ単に音を鳴らしていて、無意味に時間が流れているのが結構あって正直言ってがっかりしました。識者ってこうやって聞いていくと本当に先が長い職業なんだなと改めて思いました。

やはり「イメージ有り来」。ここから芸術は出発するのだと思います。

   hakaru matsuoka

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2007年3月26日 (月)

ベルリンドイツ交響楽団演奏会

松岡究です。きょうからこちらは夏時間になりました。従って日本との時差は7時間です。私は目撃しました。ベルリンのアパートに8ユーロくらいで買った電波時計があるのですが、午前2時59分59秒の次は午前3時ではなく、午前4時ちょうどになったのです。逆に冬時間になるときは多分もう一度午前2時になるのではないかと思います。これは確認してませんが。

今日は大変暖かく15度くらいまで気温が上がったようです。もう寒いのはいいです。徐々に暖かくなってほしいところです。

曲目   ストラヴィンスキー:交響詩「小夜啼鳥の歌(うぐいすの歌)」

      ベルリオーズ:夜の歌

      ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」

    ソプラノ:スーザン・グラハム

    指揮:インゴ・メッツマハー

今年の9月からこのDeutsches Symphonie Orchester Berlin(DSO)の主席指揮者に就任するメッツマハーの指揮で行われた演奏会は、期待を裏切らない素晴らしい一夜でした。

ドイツ人であるのにその指揮スタイルは重いものをあまり感じさせない、むしろシャープで柔らかく滞らない現代的な指揮をする人です。それは若い時から現代音楽のスペシャリストとして彼が歩んできたことと深い関係があるのだと思います。

ストラヴィンスキーは少々上滑りなところが無きにしも非ずで、ちょっと何が言いたいのかわからなかったのですが、後半のツェムリンスキーはとても良い演奏。センスがよくて適当に粘り気があり、全く滞らずどんどん流れていくのです。これからベルリンの聴衆にどう受け入れられるのか興味が尽きないところです。

真ん中に歌われたベルリオーズの「夏の歌」はスーザン・グラハムの名唱によってその作品の真価を見せ付けてくれました。彼女はフランス物、特にベルリオーズのスペシャリストですがその名に恥じず、気品と柔らかな発声と音楽性で見事に歌ってくれました。特に2曲目「薔薇の精」、4曲目「嘆きの歌」は絶品で、ウットリさせられることしばしば。メッツマハーも歌を引き立て、ピアニッシモをうまく使って曲の世界を充分に表現し佳演。聴衆も大満足のようでした。

現代音楽のスペシャリストとして鳴らしてきただけに、その音楽はひょっとしたら冷たくて機械的で血が通ってないのではないかと思っていたのですが、それは全くの杞憂に終わりました。彼の音楽は素敵でした。これからを期待します。

   hakaru matsuoka

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2007年3月25日 (日)

コンツェルトハウスオーケストラ ベルリン演奏会

松岡究です。今日は一日良い天気で終始しました。久々だっただけに気持ちのよい一日でした。明日からはもっと気温が上がって暖かくなるようです。

曲目 ノーノ:「力と光の波のように」~ソプラノとピアノとテープとオーケストラのための

    ヴェルディ:聖歌四篇~ソプラノと混声合唱とオーケストラのための

  ソプラノ:アンナ・クリスティーナ・カアッポーラ

  ピアノ:ウエリ・ヴィゲト

  コーラス:エルンスト・ゼンフ合唱団

  指揮:ローター・ツァグロセク

今日のコンサートはしんどかったです。ノーノの作品は1971~2にかけて作曲されたものですが、なぜ今演奏されねばならないのか甚だ疑問です。35分間、人間を不安にさせ苦しめるような不協音(不協和音ではありません)の連続で、こんなもの音楽でもなんでもなくよく言えばドラマや映画で人間が窮地に陥った時に、あるいはマイナスの感情を抱いたりした時に聞くような大変不快なものです。まさに「音が苦」!!!ノーノってNONOと書くのですが、この作品に至ってはOh!No! No!と言いたくなってしまいしました。

後半はヴェルディの聖歌四篇。今日は「ハズレ」なのかなあ。コーラスが今までベルリンで聴いた中では一番よくない。80人以上のコーラスはソプラノとバスにかなりエキストラを入れているのではないでしょうか。パート内が声がそろわず硬くて大変聴きづらいものでした。何だかアマチュアに毛が生えたような感じ。最初の「なぞの音階」と言われる「アヴェマリア」は、ただ単に歌っているとしか言いようが無い。2曲目のスターバト・マーテルでやっとオケが参加しますが、オケも全く集中力が無い音。全く音が洗練されておらずどこのオケ?と疑ってしまいました。3曲目は女声だけで歌われるのですが、ソプラノに誰か硬い声がいて、全く溶け合わない。神秘性と敬虔な感じが出ずに終わりました。4曲目はテ・デウム。ダブルコーラスなのですが、第一コーラスが全くの素人。第2コーラスは綺麗にまとまっているのに、なぜ?

こんな演奏会やってたら、あっという間に客はいなくなってしまいます。ノーノの作品が演奏されている途中で、一体何人退席したと思いますか?

ツァグロセクにはプログラムビルディングの再考を是非お願いしたいと思います。

   hakaru matsuoka

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2007年3月24日 (土)

ベルリンフィルハーモニー木管アンサンブル演奏会

松岡究です。今日は朝は快晴。大変気持ちのよいスタートでしたが、夕方からまた雨。良い天気は長続きしません。

今日は木管アンサンブルの演奏会。ベルリンフィルの名手達を軸に大変スマートに鮮やかに演奏してくれました。全部で5曲。全部をオーボエ・クラリネット・ホルン・ファゴット2本とコントラバスの9人で演奏するコンサートでした。

曲目  シューベルト:8重奏曲ヘ長調 D72

     アルヴォ・ペルト:フラトレス

     クロンマー:ハルモニームジーク(パルティータ)ハ長調

     ベートーヴェン:ロンド変ホ長調 WoO25

     モーツァルト:セレナーデ変ホ長調 Kv375

  オーボエ:アルブレヒト・マイヤー

        ドミニク・ヴォッレンウェーバー

  クラリネット:ヴェンツェル・フクス

          マンフレード・プライス

  ホルン:ラデク・バボラク

       ステファン・デ・レファル・イェツィールスキー

  ファゴット:ステファン・シュヴァイゲルト

        マリオン・ラインハルト

  コントラバス:ウルリッヒ・ヴォルフ

なんと色鮮やかに、彼らは演奏するのでしょうか!最初のシューベルトからその音色の多様性が発揮され、2曲目のアルヴォ・ペルトの曲ではスローな曲ながら大変陰影に富んだ演奏を聞かせてくれました。この作曲家の持ち味の神秘性と古典的な味わいがとてもよく歌われていました。

クロンマーとは初めて聞く作曲家でしたが、特にマイヤーとフクスの2人の名人芸が聴く人たちの感興をそそり、大変聴き応えのある演奏になっていました。

後半の2曲。ベートーヴェンの作品はバボラクとイェツィールスキーのホルンのアンサンブルが見事。最後のモーツァルトに至っては全員がアンサンブルの楽しさを伝え、それが客席に広がり大変素晴らしい楽興の時。

やはり音楽は呼吸なのですね。それを自在に操るセンスと技量。そしてそこにあるイメージ。再認識させられた一夜でした。

   hakaru matsuoka    

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2007年3月23日 (金)

ビシュコフ指揮ベルリンフィル演奏会

松岡究です。昨日今日ととても寒い日になりました。昨日の夜からは雪になり、明け方は10センチくらい積もったようです。しかしその後雨になり、全部溶けてしまいました。

今日のコンサートは予定されていたペトレンコが所謂指揮者病でキャンセル。かわってビシュコフが振りました。

曲目  ワグナー:ローエングリン~第1幕と第3幕への前奏曲

     ワグナー:ヴェーゼンドンクの歌

     ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調

   ソプラノ:アンジェラ・デノケ

   指揮:セミヨン:ビシュコフ

1幕への前奏曲は大変美しい、音楽的な演奏。ここで充分でした。3幕をやったのは失敗ですね。3幕は格好はいいのですが、これぞ!と言う演奏が本当に難しい音楽。案の定3幕は凡演。

デノケの歌ったヴェーゼンドンクはシェーンベルクの「期待」に代わって歌われたものです。大変美しいしっとりとした歌声で、気品高く歌い上げていました。ビシュコフもちょっとうるさかったけど、良い伴奏でつけていました。

後半のショスタコーヴィチが大変良い演奏。お国物という事もあるのでしょうが、彼のイメージは大変はっきりしていて、それをベルリンフィルが本当に達者に名人芸的に音にしていました。各管楽器のソロも抜群で、約1時間の演奏が大変引き締まった良い時間になりました。 

このブログを始めた時に最初に書いたのが、今日のビシュコフでした。その時のオケはケルン放送でしたが、その時はビシュコフとオケにかなりの音楽的開きがあったように思え、大変残念な思いをしましたが、今日のビシュコフはその印象を覆す素晴らしいものでした。ペトレンコがキャンセルと聴いて大変がっかりだったのですが、その穴を十二分に埋め合わせてくれました。

      hakaru matsuoka 

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2007年3月21日 (水)

ティーレマン指揮ウィーンフィル ベルリン公演

松岡究です。今日は待望のティーレマン・ウィーンフィルと言うことで、楽しみにしていました。

曲目  ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 (第2稿による)

    指揮:クリスティアン・ティーレマン

名演!!!95分を超える雄大且つ壮大な演奏。

昨年の秋にミュンヘンフィルとベルリン公演した際の7番のシンフォニーもよかったのですが、今日の8番の方がティーレマンのスケールの大きな器にぴったりで、類稀なる名演になりました。7番の時はその曲の持つ歌謡性からティーレマンはかなりルバートを多用していました。しかしこの8番ではピアニッシモからフォルティッシモまでのレンジが格段に大きく、特にピアニッシモの表現は絶妙で、神秘性をいつも帯び絶品でした。

彼の指揮はバレンボイムのようなスケールの大きな箱を最初から用意しているのではなく、その時その時で箱のスケールを変えながら、粘りの強い、高い集中力で指揮しているので、音楽は柔軟性に富み、自然な流れが生まれています。

聴衆も最後の全奏が終わると10秒以上の沈黙を守り、ティーレマンが素面に戻るまで誰一人として拍手しませんでした。日本ではあっという間に拍手になっちゃうでしょうね。

このような指揮が出来るなんて本当にティーレマンは素敵な男です。

   hakaru matsuoka

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2007年3月20日 (火)

ドレスデン国立歌劇場R・シュトラウス「ダナエの愛」

松岡究です。3月16~18日までドレスデンに行ってきました。大変美しい街で、街自体が大きくゆったりと作られているのが大変印象に残っています。そしてなんとなく昔住んでいたブダペストを髣髴とさせる間もありました。それはエルベ川をはさんでNeu-StadtとAlt-Stadtに分かれていて、川岸から眺める風景がブダペストを思い起こさせてくれたのです。

演目  R・シュトラウス 「ダナエの愛」

配役  ユピテル:ヲルフガング・ネヴェラ

     メルクール:マルティン・ホムリッヒ

     ポルックス:ダグラス・ナスラヴィ

     ダナエ:スーザン・アンソニー  他

   指揮:ヨハンネス・フリッツシュ

   演出:ギュンター・クレーマー

日本では決して見れないであろうと思ってドレスデンまで見に来ました。そういったシュトラウスの作品はまだあります。例えば「影の無い女」などはその典型ではないかと思います。

今日の出来は素晴らしかったです。まず私の気に入ったのは指揮のフリッツシュが大変堅実にそして雄弁にシュトラウスの音楽を奏でていたことです。勿論オケがいいということも大いに関係がありますが、紛れもなくシュトラウスの音楽でした。ほとんど名前を聞かない人ですが、こういった力のある人がこちらには沢山いると言う典型かもしれません。また演出もダナエを歌い手と女優の2人配して、女優には現実としてのダナエをかわいらしく演じさせ、歌い手にはその内面や心の機微を歌わせて、言ってみればダナエの影として演じさせ、その演出はかなり成功していたと思います。

歌手ではダナエを歌ったアントニーがやはり良かったとおもいます。わたしの好みからいえば、もう少し陰影がつく歌がほしかったのですが、立派でした。そしてユピテルのネヴェルラが立派な声で堂々としていてよかったです。これも欲を言えばもう少し音程がよければいいかなと言う感じでした。R・シュトラウスの音楽の場合、声だけではなくあの独特の転調していくメロディーラインを描いていくのに、正確な音程と和声感が無いと表現出来得るものではありません。その点二人とも和声感においてもう一歩だったのではないでしょうか。

本当はもっと滞在して聴きたかったのですが、しょうがないですね。

10R・Strauss/10Tageと言うR・シュトラウス週間の一部でした。勿論会場でR・シュトラウス協会の事務局長で一橋大教授の田辺秀樹先生にお会いいたしました。先生にこの週間のことをお聞きしていくことにした次第でした。

     hakaru matsuoka

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2007年3月19日 (月)

ベルリンドイツオペラ ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」

松岡究です。実は昨日まで3日間だけドレスデンに行っておりました。ホテル(三ツ星のコンフォート)だったので、インターネットにつなげる環境になかったので、折にふれ報告いたします。今日はそのドレスデンから帰って来てすぐ行ったものです。

演目  ヴェルディ:シモン・ボッカネグラ

配役  シモン・ボッカネグラ:ロベルト・フロンターリ

     ヤコポ・フィエスコ:ロベルト・スカンディウッツィ

     パオロ・アルビアーニ:ラルフ・ルーカス

     アメーリア(マリア):タマール・イヴェリ 他

  指揮:アッティリオ・トマセッロ

  演出:ロレンツォ・フィオローニ

客の入りは4割くらいだったと思います。リングの時とは打って変わって、全くの不入り。しかし上演の質はハイクオリティー。主役と言える4人はもとより早くの男性陣も素晴らしい歌唱と声。この作品は物語が少し難しいのと音楽が地味(私は滋味と書きたいです)なので、なんとなく不人気な作品。しかし私に言わせればトラヴィアータやリゴレットに比べると実に充実した筆捌きだと思います。

まず第一に指揮のフィオローニが素晴らしい。実に落ち着いた柔軟な棒さばきで全体をコントロールしているのが手に撮るように良くわかります。歌い手も彼を信頼しているのがわかりますし、見ていて安心感があります。オケもいい音を出していましたが、ところどころ管楽器に音程のブレがあり、今のドイツオペラの現状を垣間見るような感じでした。

歌手では2人のロベルトが素晴らしい。2人ともイタリアオペラの醍醐味を満喫させてくれました。またマリア(アメリア)のイヴェリも素晴らしいソプラノ。フォルテからピアノまであのリリックな声で良くコントロールされていました。

演出はどうかな?現代に置き換えてのことは毎度ながら、アメリアではなくマリアとして登場させたのは良くわからないです。マリアはオペラが始まるときには普通は死んでしまって、アメーリアはシモンの孫娘のはず。それがどういうわけか今回はマリアとしての登場。今シーズン今日が最後の上演なので、もう一度見て確認するわけには行きませんが、ただでさえわからない筋書きなのに余計わからなくなってしまいました。

今日は旅の疲れもありやめにしようと思っていたのですが、思い切って行ってみて良かったです。指揮者と歌手とのアンサンブルがいいと舞台は本当に締まりますね。

   hakaru matsuoka   

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2007年3月16日 (金)

ハイティンク指揮ベルリンフィル演奏会

松岡究です。ベルリンは暖かいです。今日も歩いていると汗ばんできて、何を着たらいいのか迷ってしまいます。最高は13度くらいあったようです。

曲目  ベートーヴェン:ミサ ソレムニス ニ長調 作品123

  ソプラノ:ルーバ・オルゴナショーバ

  アルト:エカテリーナ・グバノバ

  テノール:トミスラフ・ムゼク

  バス:クヴァンチュル・ユン

  合唱:ベルリン放送合唱団 合唱指揮:サイモン・ハルセイ

 指揮:ベルナルト・ハイティンク

今回、大いに期待していたんだけど、こんなものかなあ?と思ってしまいました。

この曲は私も一度指揮したことがありますが、常識では図りきれないことが沢山あって、すぐにアンサンブルに破綻をきしてしまう虞のある本当に難しい曲です。今回も危ないところが散見されました。

バッハのロ短調ミサと並んで合唱の作品としては、まさに東の横綱。ベルリン放送合唱団は今回100人の大編成で臨みましたが、作品の高みを表現するには今一歩。

ハイティンクを評するのはちょっと難しいですね。極めて常識的というかよく言えば奇を衒わない、悪く言えば没個性的。こういった難曲を指揮した場合、曲の表面ではなく内面をどう感じているかを聴きたいところ。しかし彼は極めて優秀な職人でありすぎました。

私の夢の一つに、第一夜「ミサ ソレムニス」、第二夜「交響曲第9番」と並べて指揮してみたいと言うのがあります。その理由はいずれまた書くことにします。

今日は芸術家であり職人であることの難しさを痛感しました。

   hakaru matsuoka

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2007年3月15日 (木)

ベルリンに戻りました

松岡究です。3月14日にベルリンに入りました。今回は4月25日まで滞在の予定です。

例によって、機内での映画は「2001年宇宙の旅」「用心棒」「地下鉄(メトロ)に乗って」の3本。本は犬飼ターボさんの「オレンジレッスン」、斉藤一人さんの「変な人が書いた成功法則」。

今回もほとんど寝ていません。犬飼さんの本は本当に素敵で、もう2度目に突入しました。一人さんのは9回目。この一人さんの考え方は私には今までの数ある成功関係の中でもぴったりと来る考え・思考です。

「2001年・・」のコンピューター「HAL」の反乱を、黒澤監督「用心棒」の人間の我欲の描き方を、「地下鉄・・・」はタイムスリップを軸に家族愛・人間愛について考えさせられました。

     hakaru matsuoka

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2007年3月 2日 (金)

帰国しました

松岡究です。昨日帰国しました。今回は13日まで滞在します。

例によって機内で見た映画は、「007 カジノロワイヤル」「武士の一分」「ザ・ナイト ミュージアム」の3本。007はジェームス・ボンドが007になるまでを描いたものですが、なぜ007になれたのかという部分をもっと描いてほしかったんですが、充分に楽しめる映画でした。「武士の一分」はこの3本の中では、一番良かったですね。人物の描き方が丁寧で、木村拓也は勿論檀れいと言う女優もとてもよかったです。

本は宮崎正弘さんの「中国人を黙らせる50の方法」。こういう本はもっと読まれるべきです。日本のふがいなさ、中国のえげつなさ、そして何より歴史認識が大きく変えられる本です。

    hakaru matsuoka

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