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2007年2月24日 (土)

ベルリンドイツオペラ ワグナー「ジークフリート」

松岡究です。今日は寒い一日でした。気温はマイナス1度。さすがに氷点下になると外にでるのが億劫になりますね。

ワグナーはドイツ人にとっては、大変人気のある作曲家です。この前ご一緒した通訳のミッテルホイザー三は「さまよえるオランダ人」や「ローエングリン」の合唱を聞くだけで、涙が出てくると仰っていました。また5年続けてバイロイト音楽祭のチケットを申し込んでいるそうですが、未だに手に出来ないそうです。ミッテルホイザーさんによると、7年待たないと一般の客にはチケットが回ってこないとか!ワグナーはドイツ人のDNAの一部なんですね。

演目  ワグナー: ニーベルンゲンの指輪 第2夜「ジークフリート」

配役   ジークフリート:アルフォンス・エーベルツ

      ミーメ:ブルクハルト・ウルリッヒ

      さすらいの旅人:テリェ・ステンスヴォルト

      アルベリッヒ:リヒャルト・パウル・フィンク

      ファフナー:フィリップ・エンス

      エルダ:マリナ・プルデンスカヤ

      ブリュンヒルデ:エヴェリン・ヘルツィウス

      森の小鳥:ディッテ・アンデルセン

  指揮:ドナルド・ランニクルス

  演出:ゲッツ・フリードリッヒ

今日は前2作に比べても、格段に素晴らしい出来でした。まずランニクルスとオーケストラが素晴らしい。冒頭部分から絶妙のピアニッシモで始まり、正味4時間一切弛緩することなく、程よい粘り腰の音楽を演奏し続けていました。正直言って「ジークフリート」がこんなに面白い素晴らしい音楽だったなんて、恥ずかしながら初めて知りました。今までは日本の歌手やオケによるものしか知らなかったのですが、こうやって聞いてみると、ワグナーが自分の息子にジークフリートと名付けたように一番気に入っていたこの作品の素晴らしさをやっと目の当たりにした気持ちです。

そう思わせてくれたのは、ます指揮のランニクルスとオケです。そして歌手陣の充実振りは前2夜と変わりなく、ヴォータン扮するさすらいの旅人のステンスヴォルト、エルダのプルデンスカヤ、そして何と言ってもジークフリートのエーベルツは本当に素晴らしい出来でした。

毎夜思ったことですが、こういった作品はどう転んでも日本人の歌手には無理でしょう。日本人には日本人にあった発声のオペラをやるべきでしょう。今回もヴォータンのステンスヴォルトは名前からするとスウェーデンかどこかでしょう。それにロシア人やイタリア人、指揮のランニクルスはアメリカ人。こういった人たちがワグナーをやっているわけです。ワグナーはドイツ人のDNAになっているとはいえ、「やれるべき人がやる」のは言うまでもありません。

   hakaru matsuoka

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