ベルリンドイツオペラ ワグナー「神々の黄昏」
松岡究です。今日は暖かい一日でした。最高が10度あったそうです。ベルリンドイツオペラの「指輪」のサイクルも今日が最終日でした。夕方4時に始まり、終演は9時40分でした。
演目 ワグナー「神々の黄昏」
配役 ジークフリート:アルフォンス・エーベルツ
グンター:レヌス・カリソン
アルベリッヒ:リヒャルト・パウル・フィンク
ハーゲン:エリック・ハーフヴァーソン
ブリュンヒルデ:エヴェリン・ヘルリツィウス
グートルーネ:ミカエラ・カウネ
ヴァルトラウテ:マリナ・プルデンスカヤ 他
指揮:ドナルド・ランニクルス
演出:ゲッツ・フリードリッヒ
今日も素晴らしい公演でした。4日間を通して「ジークフリート」と今日の「黄昏」が極め付けだったのではないかと思います。まずきょうもランニクルスとオケが素晴らしいのです。最初の出だしから意味のある音であるのが良くわかります。ラインの黄金の時の集中力のない音楽、ワルキューレの時のちょっと雑然とした感じは全くなく、指揮とオケが一体となって正味4時間半を充実した演奏で聞かせてくれました。最後のカーテンコールではオケも舞台に全員が上がり、ブラボーの嵐!ランニクルスがこのドイツオペラの音楽監督?と錯覚するくらいの一体感と観客からの反応でした。
歌手陣はやはりブリュンヒルデを歌ったヘルリツィウスとジークフリートのエーベルツが最高。そしてアルベリッヒのフィンクも素晴らしい。皆素晴らしいかったけど、この3人は特記するべき出来でしょう。
演出も素晴らしい。最後の最後までトンネルを出さずに最後に黄昏ていくというかピアニッシモで終わるところで、光と奥行きをうまく使った効果はジーンと来ました。しかし誰一人としてその瞬間拍手をしないのはさすが!音が終わり、黄昏が消えて10秒近く静まり返ったあの静寂!やはり聴衆も一流でした。
それにしてもワグナーはドイツ人にとっては切っても切れない「魂のふるさと」のようなものなのでしょう。それを立派にやりつくした歌手や指揮者・オケにはそれこそ全身全霊の拍手とブラボーを贈るのですね。大成功とはこういうことを言うのでしょう。本当にすごい観客の反応でした。
hakaru matsuoka
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