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2007年2月27日 (火)

ラハティ交響楽団ベルリン公演

松岡究です。今日も暖かいと言うか、寒くない日でした。ずっと天気が小雨状態だったので、暖かいと言う表現は適していないと思います。気温はいまインターネットで見ると東京より暖かい6度(真夜中の12時過ぎで)です。

今日というか昨日は日本で大評判をとったラハティ交響楽団オズモ・ヴァンスカが来ると言うことで、当日売りで入りました。日本ではシベリウスツィクルスをやったとか。大変な評判を聞いていたので、期待していきました。

曲目  シベリウス:交響詩「タピオラ」Op112

     シューマン:ピアノ協奏曲

     コッコネン:オペラ「最後の誘惑」から間奏曲(4つの部分からなる)

     シベリウス:交響曲第7番ハ長調Op105

ピアノ:エレーヌ・グリモー

指揮:オズモ・ヴァンスカ

とても素敵な演奏会でした。最初のタピオラからヴァンスカとこのオケの相性の良さがわかりました。曲の細部まで磨いているのが良くわかるのです。北欧出身の音楽家は一度は皆フランスへ留学すると言うことを聞いたことがあります。フランス流の流暢でエレガントな流れと北欧の音楽の持つ透明感が見事にマッチして、とっても美しい仕上がりでした。

 グリモーとのシューマンはきわめて速いスピード感溢れるえんそう。かといって細部はやはりきちんとしており、グリモーのピアノと一体感を実に良く出していました。グリモーはそんなに音がきらびやかとかいった派手なピアノではなく、音色は地味目ながら主張ははっきりし室内楽的に演奏するような人でした。

後半の2曲もヴァンスカとラハティ交響楽団は細部まで磨かれた透明感のあるしかも情熱的な演奏を聞かせてくれました。指揮者とオケがこれほどまでに同じ方向を向いていると言うのはある意味では奇跡的なことかもしれません。

アンコールでやったシベリウスの「悲しきワルツ」はピアニッシモが絶品で、本当に耳をそばだてないと聞き取れないくらいの音でしたが、そこにはちゃんとハーモニーと音楽的主張があって極めつけの表現でした。

こういった組み合わせの指揮者とオケは、出来るだけ長く良い関係を保ち続けてもらいたいものです。

   hakaru matsuoka

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2007年2月26日 (月)

ベルリンドイツオペラ ワグナー「神々の黄昏」

松岡究です。今日は暖かい一日でした。最高が10度あったそうです。ベルリンドイツオペラの「指輪」のサイクルも今日が最終日でした。夕方4時に始まり、終演は9時40分でした。

演目   ワグナー「神々の黄昏」

配役 ジークフリート:アルフォンス・エーベルツ

    グンター:レヌス・カリソン

    アルベリッヒ:リヒャルト・パウル・フィンク

    ハーゲン:エリック・ハーフヴァーソン

    ブリュンヒルデ:エヴェリン・ヘルリツィウス

    グートルーネ:ミカエラ・カウネ

    ヴァルトラウテ:マリナ・プルデンスカヤ   他

  指揮:ドナルド・ランニクルス

  演出:ゲッツ・フリードリッヒ

今日も素晴らしい公演でした。4日間を通して「ジークフリート」と今日の「黄昏」が極め付けだったのではないかと思います。まずきょうもランニクルスとオケが素晴らしいのです。最初の出だしから意味のある音であるのが良くわかります。ラインの黄金の時の集中力のない音楽、ワルキューレの時のちょっと雑然とした感じは全くなく、指揮とオケが一体となって正味4時間半を充実した演奏で聞かせてくれました。最後のカーテンコールではオケも舞台に全員が上がり、ブラボーの嵐!ランニクルスがこのドイツオペラの音楽監督?と錯覚するくらいの一体感と観客からの反応でした。

歌手陣はやはりブリュンヒルデを歌ったヘルリツィウスとジークフリートのエーベルツが最高。そしてアルベリッヒのフィンクも素晴らしい。皆素晴らしいかったけど、この3人は特記するべき出来でしょう。

演出も素晴らしい。最後の最後までトンネルを出さずに最後に黄昏ていくというかピアニッシモで終わるところで、光と奥行きをうまく使った効果はジーンと来ました。しかし誰一人としてその瞬間拍手をしないのはさすが!音が終わり、黄昏が消えて10秒近く静まり返ったあの静寂!やはり聴衆も一流でした。     

それにしてもワグナーはドイツ人にとっては切っても切れない「魂のふるさと」のようなものなのでしょう。それを立派にやりつくした歌手や指揮者・オケにはそれこそ全身全霊の拍手とブラボーを贈るのですね。大成功とはこういうことを言うのでしょう。本当にすごい観客の反応でした。

   hakaru matsuoka

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2007年2月25日 (日)

ベルリンコンツェルトハウスオーケストラ演奏会

松岡究です。今日も寒い一日でした。今日の演奏会は、前シーズンまではベルリン交響楽団と名乗っていた(インバルが主席指揮者であった)オーケストラが、今シーズンから主席指揮者にローター・ツァグロゼクを迎え、名前をベルリンコンツェルトハウスオーケストラとして新たにスタートしました。アムステルダムのコンセルトヘボウですとか、ライプツィッヒのゲヴァントハウス等がコンサートホールの名前をそのまま冠したオケですが、それと同じと言うことでしょうか。

曲目   プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(指揮者のバーメルトによる版)

      R・シュトラウス:交響的幻想「イタリアより」

  指揮:マティアス・バーメルト

指揮のバーメルトはスイス人ですが、今はマレイシアフィルの常任をしている人です。指揮の仕方に大変特徴があり、どう見ても格好良くはありません。しかしオケからは溌剌とした充実したサウンドを引き出していました。プロコフィエフは指揮者自身が曲を選んだ版と言うこともあって、かなり手の内に入った感がありました。オーケストラも自由にのびのび弾いていて、清清しい。後半のシュトラウスの若い時の作品も勘所を押さえていて、佳演。ただ色彩感やその場面を髣髴とさせるような音楽の運びはほとんどなく、オペラは指揮していない彼の経歴からすると妙に納得しました。

充実してるんだけど色彩感がない。とても良い演奏なんだけど、訴えるものが弱い。もう一つ煮え切らない感じを持ったのは私だけでしょうか?芸術家と職人の微妙なバランス。私は両方求めて生きたいと思います。

   hakaru matsuoka

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2007年2月24日 (土)

ベルリンドイツオペラ ワグナー「ジークフリート」

松岡究です。今日は寒い一日でした。気温はマイナス1度。さすがに氷点下になると外にでるのが億劫になりますね。

ワグナーはドイツ人にとっては、大変人気のある作曲家です。この前ご一緒した通訳のミッテルホイザー三は「さまよえるオランダ人」や「ローエングリン」の合唱を聞くだけで、涙が出てくると仰っていました。また5年続けてバイロイト音楽祭のチケットを申し込んでいるそうですが、未だに手に出来ないそうです。ミッテルホイザーさんによると、7年待たないと一般の客にはチケットが回ってこないとか!ワグナーはドイツ人のDNAの一部なんですね。

演目  ワグナー: ニーベルンゲンの指輪 第2夜「ジークフリート」

配役   ジークフリート:アルフォンス・エーベルツ

      ミーメ:ブルクハルト・ウルリッヒ

      さすらいの旅人:テリェ・ステンスヴォルト

      アルベリッヒ:リヒャルト・パウル・フィンク

      ファフナー:フィリップ・エンス

      エルダ:マリナ・プルデンスカヤ

      ブリュンヒルデ:エヴェリン・ヘルツィウス

      森の小鳥:ディッテ・アンデルセン

  指揮:ドナルド・ランニクルス

  演出:ゲッツ・フリードリッヒ

今日は前2作に比べても、格段に素晴らしい出来でした。まずランニクルスとオーケストラが素晴らしい。冒頭部分から絶妙のピアニッシモで始まり、正味4時間一切弛緩することなく、程よい粘り腰の音楽を演奏し続けていました。正直言って「ジークフリート」がこんなに面白い素晴らしい音楽だったなんて、恥ずかしながら初めて知りました。今までは日本の歌手やオケによるものしか知らなかったのですが、こうやって聞いてみると、ワグナーが自分の息子にジークフリートと名付けたように一番気に入っていたこの作品の素晴らしさをやっと目の当たりにした気持ちです。

そう思わせてくれたのは、ます指揮のランニクルスとオケです。そして歌手陣の充実振りは前2夜と変わりなく、ヴォータン扮するさすらいの旅人のステンスヴォルト、エルダのプルデンスカヤ、そして何と言ってもジークフリートのエーベルツは本当に素晴らしい出来でした。

毎夜思ったことですが、こういった作品はどう転んでも日本人の歌手には無理でしょう。日本人には日本人にあった発声のオペラをやるべきでしょう。今回もヴォータンのステンスヴォルトは名前からするとスウェーデンかどこかでしょう。それにロシア人やイタリア人、指揮のランニクルスはアメリカ人。こういった人たちがワグナーをやっているわけです。ワグナーはドイツ人のDNAになっているとはいえ、「やれるべき人がやる」のは言うまでもありません。

   hakaru matsuoka

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2007年2月23日 (金)

ラトル指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団演奏会

松岡究です。今日は先々週と同じラトルの指揮です。2月はラトルだけで4種類のコンサートを計12回もやると言う物凄さ。

曲目  ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調Op70

     トマス・アデス:Tevot (ベルリンフィルとカーネギーホールの共同委嘱作品。初演)

     ヤナーチェック:シンフォニエッタOp60

  指揮:サー・サイモン・ラトル

今日も実に充実した演奏を聞かせてくれました。まずドヴォルザークでは、リズムを際立たせながら、コントラストに気を配る手法はラトルならではですね。彼の一番いいところは、音楽を考えすぎず(実に深く考えているのですが)、自ら楽しみながら、いつも自分の音楽として提示できるところにあると思います。ですから大変都会的なドヴォルザークになります。もう少し粘ってほしいと思うところはありましたが、大変充実した演奏でした。

アデスの曲は、あまり現代的な手法(例えば無調、12音、コンクレート等)を用いず、大変正統的な手法を用いて、壮大で美しい曲を書いていました。中間部で長いフーガがあるのですが、それが重くなりすぎず実に美しく壮麗な響きとなってクライマックスを作ったところなどは、ブラボー!

メインのシンフォニエッタは金管が12人のトランペット、2人のバストランペット、4人のホルン、2人のヴァルトホーンチューバ、4人のトロンボーン、そしてチューバと言う珍しい編成の曲。(高校のときマタチッチがN響でやったのを思い出しました。)金管の壮麗な響きもさることながら、オーケストラの力量が思う存分発揮された痛快な演奏でした。でもやはり泥臭さからはかなり遠くに行ってしまっています。

こういうドヴォルザークやヤナーチェックは、私の個人的な好みでいうと異端とまでは言いませんが、少なくとも模範とすべき演奏ではないと思います。もう少し思い入れとか、ノスタルジックな部分があるほうがこれらの作曲家にはふさわしいのではと思います。

    hakaru matsuoka

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2007年2月21日 (水)

ベルリンドイツオペラ ワグナー「ラインの黄金」

松岡究です。1週間ぶりでの投稿です。

昨日は、ワグナー「ニーベルンゲンの指輪」の序夜「ラインの黄金」を聴きました。先日も申しましたとおり、チケットを手に入れるのが遅かったので、順番が入れ替わってしまいました。

配役 ヴォータン:テリェ・ステンスヴォルト

    ドナー:マルクス・ビーム

    フロー:フェリペ・ロヤス・ヴェローゾ

    ローゲ:クレメンス・ビーバー

    アルベリッヒ:リヒャルト・パウル・フィンク

    ミーメ:ブルクハルト・ウルリッヒ

    ファゾルト:ラインハルト・ハーゲン

    ファフナー:フィリップ・エンス

    フリッカ:マリナ・プルデンスカヤ

    フライア:マヌエラ・ウール

    エルダ:チェリ・ウィリアムス

    ヴォークリンデ:フィオヌアーラ・マッカーシー

    ヴェルグンデ:ダニエラ・シンドラム

    フロッシルデ:ニコレ・ピッコロミーニ

  指揮:ドナルド・ランニクルス

  演出:ゲッツ・フリードリッヒ

今回も10日前のワルキューレに劣らず素晴らしい公演でした。ただ惜しいのは、ラインの原始kら創生にかけてのあの素晴らしいオーケストラの音楽が、何とも凡庸な気の抜けた感じに聞こえてきて、ちょっとがっかりでした。それはそのままラインの乙女の所まで尾を引いていて、ただ音と声が響いてくる幹事に聞えていました。しかしヴォータンが出て来るや、オーケストラの音も輝きを増し、実に艶やかに大きくうねり始めました。やはり「舞台からの表現がオーケストラを巻き込む」 というオペラ独特の乗りはいいものです。

その後は実に素晴らしい舞台で、ヴォータン、ドナー、ローゲ、ミーメ、アルベリッヒ、フリッカ、フライア、エルダ、どの役も素晴らしい声と表現で楽しませてくれました。

フリードリッヒの演出は、ラインの深い川床の下にあるような長いトンネルを初めにみせ、それから音楽がなり始めるというもの。妙に合点がいき期待したのに、音楽がちょっと?!ランニクルスはいい指揮者だけど、こういう雰囲気を醸し出すところでは、ちょっと役不足かもしれません。ヴォータン登場以後は、素晴らしきカペルマイスターでした。

職人として素晴らしいことと芸術家として素晴らしいことの両立は本当に難しいのだと改めて思いました。

    hakaru matsuoka

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2007年2月13日 (火)

ベルリンコーミッシェオパー モーツァルト「魔笛」

松岡究です。今日は大分暖かい一日でした。朝起きると昨日の雪は全部溶けていました。

今日のオペラは1月についで2度目になります。今回はドイツで経営コンサルティングでご活躍の松田龍太郎さん、通訳のヴォルフラム・ミッテルホイザーさんと3人での観劇でした。お二人が泊まっていらっしゃるホテルまで出向き、タクシーで劇場まで。軽くホワイエでお腹を満たした後観劇。休憩中やタクシーの中で色々お話できて、大変勉強になりました。ここにはなかなか書けませんが、やはり一線でバリバリに活躍なさっておられる方のマインドと行動力は普通の方とは一線を画すものです。ミッテルホイザーさんも大変流暢な日本語を操る方で、頂いたメールなどは日本人より完璧です。お二人に感謝!有難うございました。

さて2度目になる魔笛。一度目は面白いのとモーツァルトでこんなのあり!?との思いが交錯して、何ともいえない感じでしたが、今日やっといろんなことが見えてきました。

一言で言うと「大人の魔笛」なのです。

タミーノは大蛇に倒れるのではなく、マリリン・モンロー風の3人のダーメの毒にやられます。3人の童子は最初はひげを生やした老人に、2度目の登場ではインテリ風名探偵コナン、3度目は・・・しかしそれは全部操り人形なのです。夜の女王は1幕のアリアを歌っている最中に左手をもぎ取り、かつらを脱ぎ捨て、最後には倒れてしまいます。そして担架で運ばれる時に、左足がもげてしまいます。そうサイボーグ人間、それもポンコツの。「水」の試練、「火」の試練はそれぞれ海蛇に耐えられるか、鉄砲を向けられたことに耐えられるか。そしてもう一つ演出家が言いたかったことは「セックス」の試練。タミーノは普通であれば魔笛を吹くところが何度かありますが、それが笛ではなく男根を抱きしめながらそれに酔っているのです。パパゲーノも魔法の鈴を鳴らすと自分の物が疼いてしょうがないのです。それもこれも全部が3人の新しい登場人物(演出家が新しく書き下ろしたリブレットに沿って)の仕掛ける試練なわけですね。

最後には、勿論夜の女王もダーメもモノスタトスもいなくなってしまいますが、ザラストロも急性心不全で死んでしまいます。そして合唱はワインとパンを持って最後の合唱を歌います。つまりオシリスもイリスもそしてフリーメイソンも関係ない。我々は最終的にはキリストに帰依しているのだということなのでしょうか?

こういった新しい演出(リブレットの書き換え・追加)はこれからのオペラの生き残りの一つの方向かもしれません。確かに客は沸き、笑いは絶えず起こり観客は本当に楽しんでいるようでした。しかし、感動したとは言いにくい。こういった演出だと音楽がやはり後退してしまいます。歌い手は皆素晴らしいのですが、例えばパミーナのアリアが絶望のどん底で歌われるのが通常ですが、舞台がそういうシトゥエイションになってないので、この慟哭が聞えてこないのです。感動と楽しさが相容れないようなところにオペラの将来に一段と危惧を覚えるのは私だけでしょうか?

演出:ハンス・ノイエンフェルス

     hakaru matsuoka

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2007年2月11日 (日)

ベルリンドイツオペラ ワグナー「ワルキューレ」

松岡究です。今日は寒かったです。最低気温がマイナス5度。日中もほとんど気温は上がらず、マイナスの世界!

演目  ワグナー:ワルキューレ

配役  ジークムント:ロベルト・ディーン・スミス

     フンディング:ラインハルト・ハーゲン

     ヴォータン:テリェ・ステンスヴォルト

     ジークリンデ:エヴァ・ヨハンソン

     フリッカ:マリナ・プルデンスカヤ

     ブリュンヒルデ:エヴェリン・ヘルリツィウス

   その他ワルキューレ8名

  指揮:ドナルド・ランニクルス

  演出:ゲッツ・フリードリッヒ

今回ドイツオペラはワグナーの「リング」を2サイクル取り上げています。久しぶりの「リング」と言うこともあって、早い時期から売り切れていたようで、私が築いたときにはほとんどチケットはありませんでした。それで私は第2サイクルの「ラインの黄金」「ジークフリート」「神々のたそがれ」は何とかチケットを手に入れることが出来たのですが、「ワルキューレ」だけは、ソールドアウト状態。たまたま他のチケットを手に入れて1週間後にWEBを除いて見ると、キャンセルで数枚チケットが出ているではありませんか。そこで手にしたのが今回のチケットと言うわけで、変則的になってしまいました。

一言で言うなら大変素晴らしい公演でした。特にヴォータン、ブリュンヒルデとジークリンデが素晴らしく、観客も大いに沸いていました。指揮のランニクルスは昨年、ベルリンフィルに客演した折、ツェムリンスキーの「抒情交響曲」を指揮しましたが、オケの特にティンパニとの折り合いが悪く、まさに殺人的音を出させていました。それが多分観客には不評だったと思います。客からそっぽを向かれて、あっという間に拍手は終わってしまいました。

今回ドイツオペラでの「リング」はまさに職人的手堅さと理解度の深さで持って、弛緩することなく5時間(18時に始まり2回の休憩を入れて23時に終わりました)を聞かせてくれました。特にたっぷりした音楽の情感は歌い手の素晴らしさと相俟って素晴らしい音の世界を作っていたと思います。

フリードリッヒの演出は伝説的と言ってもいいくらい有名なものです。特に2・3幕の奥行きのあるトンネルの装置は圧巻です。トンネルで舞台に奥行きを持たせ、時空を超えた物語の特性を如実に物語っています。

                hakaru matsuoka

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2007年2月10日 (土)

ラトル指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団演奏会

松岡究です。きょうも夕方から小雪の舞う肌寒い一日でした。

曲目 ハイドンプログラム

  交響曲第88番ト長調

  交響曲第89番ヘ長調

  交響曲第90番ハ長調

指揮:サイモン・ラトル

今日は安永徹さんがコンサートマスター。どういう風に奏法を変えてくるのかと思ってたら、意外にオーソドックス。ビブラートもかけていました。しかしラトルのアプローチは見事なもので、フォルテとピアノのコントラスト、アーティキュレーションの切れ味、そして疾走するようなアレグロ。どれもある意味ではエキセントリックで、又ある意味では大胆にして繊細。どの声部も雄弁で音楽をしているのはベルリンフィルならでは。それを楽しみながら、自在に操っているこのラトルは本当に素晴らしい。

90番の終楽章。ハイドンの機知の富んだ細工が見事。曲が終わったかに見せるとまた始まり、また終わったかに見せるとまた曲が始まる。観客はラトルの見事な演出にだまされて、2度も途中で拍手をすることに。それが笑いを誘いこのコンサートは和やかに、そして大きく盛り上がりました。幸せなひと時をくれたコンサートでした。

   hakaru matsuoka

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2007年2月 9日 (金)

ベルリン国立歌劇場 ワグナー「パルジファル」

松岡究です。今日は朝起きるとうっすらと雪化粧。それでもすぐ解けてなくなってしまいましたが、オペラが終わって外にでてみると、うっすらと1センチほど、雪が積もっていました。しかしこれもアパートの近くまで帰ってみると、道路の雪はもう消えていたんです。これも温暖化の影響でしょうね。

演目 ワグナー 「パルジファル」

出演 アムフォルタス:ハンノ・ミュラー・ブラッハマン

    ティトゥレル:アンドレアス・バウアー

    グルネマンツ:ルネ・パーぺ

    パルジファル:ブルクハルト・フリッツ

    クリングソル:ヨヘン・シュメッケンベヒャー

    クンドリー:ミシェル・デ・ヤング    その他

  指揮:ダニエル・バレンボイム

  演出:ベルント・アイヒンガー

昨年の4月のフェスト・ターゲでバレンボイムのパルジファルを聞きました。あの時も素晴らしい演奏でしたが、今日のパルジファルも「これがワグナーと言うものだ」とでも言わんばかりの堂々たる演奏。バレンボイムという人にとってこの作品は、バレンボイムのためにあるような感じまでしました。巨大な構えのバレンボイムにワグナーの音楽が実に良く合うんです。雄弁で濃厚で弛緩せず最後まで、聴く人の耳を捕らえっぱなし。ブラボー!

歌手陣も4月よりも素晴らしかったです。まずはパーぺ!その声と風貌は圧倒的な存在感を放っていました。そしてアムフォルタスを歌ったブラッハマン。明るい声量のある声ではありますが、その内面描写は特筆もの。大変音楽的でした。その他、フリッツやデ・ヤングも素晴らしかったです。

6時に始まって、11時45分が終演時間でした。着いて早々のワグナーはきついかなと思っていましたが、上出来の公演に疲れも忘れて聞き入りました。

    hakaru matsuoka

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2007年2月 7日 (水)

昨日ベルリン入りしました

松岡究です。昨日ベルリンに戻りましたが、かなり暖かくてびっくりしました。普通のシャツにダウンのコートを着ていれば充分です。気温は5度くらいはあったんじゃないでしょうか。

例によって飛行機の中では、ZEROオーケストラ(嬉しいことに私と音楽がしたいといって集まってくれたオーケストラ)の事務局長をしてくれている須田浩さんからもらった本「カラヤンとフルトヴェングラー」(中川右介著、幻冬舎新書)を読みました。この本はもう一人チェリビダッケも絡ませて、192・30年から50年代までの彼ら3人のベルリンフィルにおける裏の葛藤をドキュメンタリータッチで描いたものです。作者も行ってますが、想像によるところも多々あるそうですが、今まで知らなかった部分、特にチェリビダッケのベルリンフィルでの当時の立場と活躍はこの本を読むまでは知りませんでした。そしてフルトヴェングラーが如何にカラヤンを敵視していたかもびっくり仰天でした。

映画は「守護神」。沿岸警備隊の訓練から死闘ともいえる救助の様子、そして愛を描いた感動的な作品。もう一つ「ガーフィールド2」アニメと実写を組み合わせたコメディー。

映画も本もそして音楽も、人間を感動させる芸術作品であり、またエンターテインメントでもあるわけですが、こうやって毎回機内で本を読み映画を見ていると人間の想像(創造)するものは本当に素晴らしいと改めて思います。そして想像のないところに創造はないのだとも、また改めて思います。

   hakaru matsuoka

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2007年2月 5日 (月)

プロフィールをまたまた更新しました

松岡究です。

プロフィールを更新しました。更新というか追加したのは、モーストリー クラシック 2004年6月号。そしてレパートリーの部門に3曲(モーツアルトの管楽セレナーデ10番と12番、マーラーのさすらう若人の歌)を追加させていただきました。

どうぞ宜しくお願いいたします。

   hakaru matsuoka

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2007年2月 4日 (日)

モーツァルト管楽セレナーデ本番終了

松岡究です。昨日モーツァルトのハ短調の管楽セレナーデと13管楽器のための「グラン・パルティータ」の本番が終了いたしました。

木管楽器奏者にとっては、極めつけのプログラム。それを彼らは高い集中力と高い音楽性でやってのけました。勿論多少の傷はあるのですが、それにひるむことなく常にポジティブに音楽に対峙し、ひたむきに音を奏でていたのではないかと思います。

これを機会に残る管楽器のための合奏曲、例えばリヒャルト・シュトラウスやグノー、ドヴォルザーク等もやられたらいいのではないかと思います。今日は心地よい本番でした。

 hakaru matsuoka

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