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2006年10月15日 (日)

ノリントン指揮ベルリンフィル バッハ「ロ短調ミサ」

松岡究です。今日は寒かったですよ。一日中気温が上がらずに10度前後で推移してたようです。

今回最も期待していた今日の公演、期待に違わず素晴らしい演奏会でした。

曲目 J・S・バッハ ミサ曲ロ短調

  ソプラノ:スーザン・グリットン

  アルト:カタリーナ・カンマーローハー(予定されていたダヴィッド・ダニエルスが急に歌えないと言うことで急遽、彼女が代役に)

  テノール:ジョン・マーク・エインスレー

  バリトン:デートレフ・ロート

  合唱:リアス室内合唱団

  指揮:サー・ロジャー・ノリントン

素晴らしい演奏会。2時間半があっという間に過ぎてしまいました。勿論それは指揮のノリントンの自由奔放でいながら、フォームはしっかりとしている音楽作りが一番です。そして合唱が素晴らしい。ノリントンの自由奔放ともいえる注文に見事に応え、透明感を失わず最後まで見事に聞かせてくれました。(合唱をする人にとって、このロ短調ミサ曲とベートーヴェンの荘厳ミサは内容・規模からしても東西の横綱のようなものです。この両方を歌えると言うことはその合唱団の音楽的内容が充実していることを意味すると思います。)

ベルリンフィルも全員がノンヴィブラート奏法で曲の陰影を付け、またソロも各々素晴らしく、特にオーボエ・ダモーレのジョナサン・ケリー、トランペットのヴェレンツァイを初めとする3人、フルートのイェルカ・ウェーバー、コンサートマスターのブラウンシュタイン、そしてオルガンのラファエル・アルパーマン、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトらは日ごろバッハをやっている専門家のよう。

時折ノリントンは指揮するのをやめて聞き入っていたり、わざと顔だけで指揮していたり、勿論全曲暗譜での指揮は見ていても聴衆を飽きさせません。ただ惜しむらくは、その自由さ、躍動感とは逆の深遠さが犠牲になっていた感は否めず、私は複雑な心境。これだけの演奏をしておきながら、深遠さが聞えてこないなんて、なんてバッハ演奏は難しいのでしょうか!

     hakaru matsuoka

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