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2006年10月27日 (金)

養老孟司さんの本1

松岡究です。最近養老さんの本を何冊か読んでるんですが、とても目からうろこのことが多く、少しまとめる意味も含めて何回かに分けてご紹介したいと思います。

「こまった人」と言う中公新書の本があります。短いエッセイを集めた本ですが、これがなかなか教えてくれるところが多いんです。

「犬と猿」と題された章。「そのうち畑にサルがでる、イノシシが出るという話になった。・・・・野犬がいなくなったから役所は野犬狩りをしない、同様にして、野犬がいなくなったから、サルだのイノシシだのの天下になった。まさに納得。」「野犬の問題は、いわゆる環境問題である。イヌを管理せよと主張した側は、まさかその結果、サルとイノシシとシカが農作物を荒らすようになるとは考えなかったであろう。一方の秩序は他方の無秩序を引き起こす。」「意識と言う秩序活動が生み出した無秩序は、脳自体に蓄積する。脳に溜まった無秩序を、脳はエネルギーを遣って片付ける。・・・・寝ている時間は休んでいるつまりエネルギーを遣わない時間ではない、と言うことである。それは無秩序を減らして、元の状況に戻すと言うことである。」「都会人の問題は、意識活動こそがまともな活動だと思い込んでいることである。・・・・意識が存在することに、眠りは必然として伴っているのである。それが自然の法則である。秩序的な活動は、それだけで存在することは出来ないのである。そこが納得されてないと、意識的活動のみが正しいと言う錯覚が生じる。現代社会の根本的な問題がそれだと言うことは、わかる人にはわかっているはずである。・・・」

どうでしょうか。一部抜粋してみましたが、サルやイノシシの天敵問題から人間の持つ問題にまで深く切り込んでいるのは凄いです。現代社会が如何にバランスを崩し、人間はその愚かさを露呈しているのかがこのエッセイから良くわかります。

自然を管理することの功罪、翻って人間が人間を管理することの功罪。難しい問題ではあります。

昨日日ハムが優勝しましたよね。以前の巨人・西武・ヤクルトなど、所謂管理野球から新庄に代表される楽しみながら集中してやる野球に変わって来ているのは、養老流のめがねを通してみると進歩してるんでしょうね。そう思いたいです。

多分音楽界もそうなって来ていると思います。絶対的な力を持った1950・60年代の指揮者と、ラトルに代表される今の指揮者は、明らかに変わって来ていると思いませんか?

       hakaru matsuoka

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2006年10月26日 (木)

歴史

松岡究です。帰国してテレビでニュースを見ていたら、どこかの高校(それも進学校)が歴史の授業をしないばかりに、生徒の卒業が危ぶまれていると言うではありませんか。ああ、結局こういうことなんだなと思いました。

と言うのは以前にも2度ほど書きましたが、日本や世界を考える上での歴史認識、知識としてだけではなく歴史から考えていく力は大切です。歴史や地理等の社会科は特に国際的な観点から、他の国の文化や政治・出来事を知り、そこから考え行動する人間を作り出していく上で大切なことだと考えます。

大学受験は大切です。が人間教育というか人格を養い、考える力を養う教育と言うのはずっと日本では隅に追いやられてきたのではないでしょうか。

一体何がそうさせたのでしょうか?

     hakaru matsuoka

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2006年10月25日 (水)

一時帰国しました

松岡究です。今回は2週間の帰国です。例によって飛行機の中では、養老孟司さんの「こまった人」(2度目)、映画はこれも2度目の「ダヴィンチ・コード」、「ザ・ブレイク・アップ」、「Spirit]の3本を見ました。

養老さんの本については一度所感を書いてみたいと思います。

映画ですが、「ダヴィンチ・コード」は本当に面白い映画です。特にキリストには妻がいて、キリストが磔になったときに、その妻は妊娠していて、その生まれた子がマグダラのマリアだと言う(勿論フィクションでしょうが)あたりの主役3人によるやり取りは見ものだと思います。

「ザ・ブレイク・アップ」はちょっと身につまされるようなコメディー。

「Spirit]もとても良い映画でした。本当の武道に目覚めるまでの、まあどこにでもあるようなストーリーですが、大変楽しめました。

今回はフランクフルト~成田間が10時間15分とかなり早いフライト。多分気流の関係です。いつもはもう1時間かかります。ちなみに成田~フランクフルトは必ず12時間前後かかることを考えると、しんどさがちょっと違いました。

    hakaru matsuoka

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2006年10月24日 (火)

ベルリンコーミッシェオパー モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」

松岡究です。日曜の続きです。

演目  モーツァルト:コジ・ファン・トゥッテ

   フィオルディリージ:マリア・ベングツソン

   ドラベッラ:ステッラ・ドゥフェクシス

   グリエルモ:クラウス・ケラー

   フェランド:ペーター・ロダール

   ドン・アルフォンゾ:ディートリッヒ・ヘンシェル

   デスピーナ:ゲルトルード・オッテンタール

   指揮:マルクス・ポシュナー

   演出:ペーター・コンヴィチュニー

今回のコジは昨年プレミエされたものですが(7月に一度書きました)、新しいシーズンになって、かなり演出に手が加えられ、かなり見やすくなっていたのが印象的でした。それは演技もさることながら証明に一段と工夫が凝らされていたからです。

歌手は6人が6人ともに水準が高く、歌・演技ともにかなり楽しめました。ポシュナーはとても才能のある指揮者なのですが、まだ一人相撲しているきらいがあり、見ていて疲れますし、力みもいたるところで見られ、まだまだオペラ指揮者ではないなと言う感じ。もっと自然に奏者に任せるところが合っても良いのではないかなあ。

24日に日本に2週間だけ帰国しますが、その折に鳥取オペラ協会で「コジ・ファン・トゥッテ」を指揮します。期日は11月4・5日。カウベルホール、2時開演です。

どうぞ是非聴きに(見に)いらして下さい。

     hakaru matsuoka

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2006年10月23日 (月)

ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団

松岡究です。今日も暖かい一日でした。全くコートは着る必要がなく昼間の気温も17・8度あったようです。

今日は昼の1時からこちらに留学しているトランペットの高見信行君が、今年の毎日コンクールで1位になったと言うことで、そのお祝いを兼ねて一緒に食事をしました。(日本で彼とは何度か仕事を一緒にしており、去年の4月ごろフィルハーモニーで偶然再会したんです。)凄いですね、1位なんて。でも彼の実力だったら当たり前だと思いますが。

そのあと4時からフィルハーモニーでベルリン放送響、7時からコーミッシェオパーで「コジ・ファン・トゥッテ」を聴くというハードスケジュール。

曲目   リゲティ:ヴァイオリン協奏曲

      ショスタコーヴィッチ:交響曲第13番「バビ・ヤール」

     ヴァイオリン:イザベレ・ファウスト

     バス:アルチュン・コチニアン

     合唱:ベルリン放送合唱団男声部

     指揮:マレク・ヤノフスキ

お祝いで昼間からビールを飲んだせいで、前半のリゲティの作品は5分ほど寝てしまいました。ですから論ずる資格はないのです。すみません!

後半はしっかり聴きました。オーケストラも50%はユニゾンで、合唱にいたっては99%はユニゾンで出来上がっているような不思議な作品。しかしその中にあるメッセージは強烈なものがあり、特に1・2楽章はオーケストラの絶叫する様は物凄い迫力。コチニアンは予定されていたアレクサーシュキンが急病で急遽代役。彼は美声ですが、代役と言うこともあり、やはり作品の内面を伝えるにはもう一息。合唱も線が細く綺麗に歌いすぎだと思いました。もっと土臭く、何かを抉り出すような迫力がほしかったですね。その反面オーケストラは良くヤノフスキに応えて迫真の演奏。そして最終楽章の消えるように終わっていく透明感のある祈りのような美しいメロディーは、ショスタコーヴィッチの当時の内面を如実に物語っているようで、1961年当時のあの冷酷なソ連に生きる作曲者を想像するには余りにも充分。

    hakaru matsuoka

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2006年10月22日 (日)

ラトル指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団演奏会

松岡究です。この2・3日暖かい日が続いています。ダウンを着て歩くと汗がでてくるくらい暖かいです。天気も朝10時くらいから晴れてきました。

曲目 シューマン:交響曲第4番ニ短調 1841年の第1稿による演奏

    ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 「ロマンティック」 ノヴァーク版による第2稿による演奏。

今日も素晴らしい本番が聴けました。ラトルという人はどうしてこう素晴らしいんでしょう。頭が下がります。彼は音楽を本当に愛してるし、自由で敬虔で大胆です。そして人間は全く飾らないフランクさとフレンドリーさが舞台に滲み出ていて、こんな人はいません。

1曲目のシューマン。普段耳にする曲とは特に1・4楽章が異なっています。以前サヴァリッシュがN響でやったような記憶があります。そういう意味でも大変興味深く聴きました。こちらの方がやはりフレージングにおいてやや曲としての曖昧さというか、荒削りなところがあるように思います。やはり1853年の一般的なほうが曲としては完成度が高いのではないかな。演奏はラトル節というか、本当に彼は自由です。どうしてこんな発想が生まれてくるのだろうと言うくらいに新鮮な響きでいっぱいでした。オーケストラは第2ヴァイオリンを上手に振った5.5、5、4、3、2の小ぶりな編成でした。

後半のブルックナー。聴衆を圧倒的な感激に陥れた演奏時間約75分の堂々たる演奏。ラトルはこの曲に対し全くの正攻法で臨んでいました。しかし歌うところは歌い躍動感があり、緻密かつ大胆。こういう演奏を聴いた人は彼が確実に大巨匠への道をまっしぐらに進んでいると確信したに違いないでしょう。冒頭のホルンはドールのソロ。こんなに神秘的に聴かせたホルンを知りません。

今回ゲネプロを聴こうと思って問い合わせたところ、今回は録音をするからダメだとのことでした。近いうちにこの壮大な演奏のブルックナーが店頭に並ぶと思います。オーケストラは大編成の8.5、7、6.5、5、5で、フォーメーションは通常のヴァイオリンを並べた配置にしていました。多分ヴィオラのパートソロを聴かせる為だったのではないかと思います。

    hakaru matsuoka

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2006年10月21日 (土)

ベルリンコーミッシェオパー管弦楽団演奏会

松岡究です。今日は朝からしとしとと冷たい雨が降っていました。しかし気温はさほど下がらずそれだけでもちょっと嬉しい。

曲目   ドビュッシー:夜想曲

      プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番

      ラヴェル:古風なメヌエット

      ラヴェル:マ・メール・ロア

      指揮:キンボー・イシイ・エトー

      ヴァイオリン:ドミトリー・シトコヴェツキー

柔らかな雰囲気の気持ちの良い演奏会でした。1曲目の「夜想曲」からキンボーさんはこのオケから柔らかなサウンドを引き出して良い感じ。ただ3曲目の「海の精」の女性コーラスは凡庸な出来。もう少しコーラスマスターにしっかりしてもらいたいし、日ごろオペラばかり歌っているとこのような精緻な曲を歌うテクニックを忘れて荒削りになっていくので、気をつけてほしいです。

2曲目のプロコフィエフはなんと言ってもシトコヴェツキーのヴァイオリンが素晴らしい。とても質実で奇を衒うことなく弾き進めて行き、最後はうんと盛り上がってアンコールにバッハまで弾きました。キンボーのバックも良かった。

後半はラヴェルを2曲。古風なメヌエットは今日の中ではもう一息。特に管楽器のバランスがよくなくて残念。2曲目のマ・メール・ロアはキンボーがこのオケから上質なサウンドを引き出して素晴らしい。特に終曲は皆の歌心があいまって見事でした。

キンボーさんはこのあとすぐ日本に行って、凸版ホールの閉館コンサートを指揮するといっておりました。皆さん時間が合ったら足を運んでください。

     hakaru matsuoka

     

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2006年10月20日 (金)

ベルリンドイツオペラ フランケッティ「ジェルマニア」

松岡究です。昨日今日と比較的穏やかな一日でした。日本よりは寒いですが、そんなに寒さを感じさせない小春日和。

演目 アルベルト・フランケッティ:ジェルマニア(ゲルマニア)

   フェデリーコ・レーヴェ:カルロ・ヴェントレ

   カルロ・ウォルムス:ブルーノ・カプローニ

   リッケ:リセ・リンドストローム

  その他にアルテュール・コチニアン等

   指揮:レナート・パルンボ

   演出:カーステン・ハームス

今日はイタリア式にはジェルマニア、勿論こちらではゲルマニアと言う私には初耳のオペラ。このオペラのアリア「学生諸君よ聴きたまえ」が少しは名が知られているくらいでしょうか。ブラームスの大学祝典序曲に用いられた「学生歌」も聴かれます。

1902年の3月2日にミラノのスカラ座でトスカニーニの指揮、カルーソーのテノールで初演され一時はかなりもてはやされた作品だそうです。それが埋もれてしまったんですね。聞いた印象は言ってみればマイアベーア的作品で、歌もオーケストラも大変豪華な音楽。中には涙をそそるような美しい音楽が存在するのに、印象に残るかというとそうでもない。パルンボの指揮も素晴らしくこのオペラを質の高い水準に引き上げていたし、テノールのカルロ・ヴェントレも素晴らしい声で熱演していたにもかかわらず、なんとなく中途半端。もっと泣かせるなら泣かせる、盛り上げるなら盛り上げてほしいところ。演奏スタイルがもっとネチッコイものだったらもっと聞き手の印象は変わっていたかもしれません。この辺りが現代忘れ去られてしまった原因かも。決して悪いオペラだと言ってるんではないのですよ。

5月から改装されていたというドイツオペラ。でもどこが変わったのか全くわかりませんでした。ただ音響は前よりもっと良くなった気がしました。

     hakaru matsuoka

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2006年10月19日 (木)

ベルリン国立歌劇場 パーセル「ディドとエネアス」

松岡究です。今回もメンテナンスで投稿が遅れてしまいました。

昨日のオペラは私が2005年に毎年国立歌劇場でやっているバロック週間を初めて聴いた時、プレミエとして出されたのがこのパーセルの「ディドとエネアス」でした。その時の観劇は今でも覚えています。舞台ではダンスを中心に物語が進行し、またコーラス・オーケストラがクレモネージの元に一体となって音楽を奏で、それは見事でした。

演目   ヘンリー・パーセル 「ディドとエネアス」

     ディド:アウゴーレ・ウゴリン  

     エネアス:ロイベン・ウィルコックス

     ベリンダ:デボラ・ヨーク   その他

    指揮:アッティリオ・クレモネージ

    演出・振り付け:サーシャ・ヴァルツ

このプロダクションは、2005年にプレミエを出したあと、ルクセンブルグやモンペリエなどで再演を重ね、ここベルリン国立歌劇場でも、3度目の再演になるヒット作です。

それはヴァルツの大胆な演出・振り付けとクレモネージ(勿論初演の時から全曲暗譜で指揮)の生き生きとした音楽作りが大きな成功の要因です。舞台は誰が主役で誰が脇役ということはなく、歌い手もダンサーも全員が踊り、また役どころには歌い手の他にその内面を表すダンサーが必ず付いています。

カーテンコールも全員が整列し、一人一人のカーテンコールはないのです。こうした考えも今のオペラ界には斬新なことかもしれません。

とにかく終演後はブラボーの嵐で、大変盛り上がった舞台でした。

ただ私としては、初演時の演出・振り付けのほうが見ていて綺麗だと思いますし、そちらの方が良かったような気がします。

     hakaru matsuoka

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2006年10月18日 (水)

フィルハーモニア 弦楽四重奏団演奏会

松岡究です。ココログがメンテナンスをやっていた関係で、投稿が遅れてしまいました。

昨日は快晴のベルリン。しかし気温は低く日本でなら冬といった感じ。私はもうダウンジャケットを着ています。

曲目 オールショスタコーヴィッチプログラム

弦楽四重奏曲第9・10・11・12番

この四重奏団初めて聴きます。ベルリンフィルのコンサートマスターのスタブラヴァを中心にしたメンバー。やはりとってもうまかったですね。聞いていて全く音色に濁りがないのが素晴らしい。そして一晩でショスタコーヴィッチのちょうど交響曲13番と14番の間に作曲された曲を聞くことでまた彼に対する理解が深まった気がします。

彼の曲はそのどれもが気を抜けないと言うか、ほっとするところのない痛烈なメッセージで貫かれている作品ばかりですが、今回のこう4曲も全く同じです。アイロニー、慟哭、茶化し、恐怖等のメッセージが深刻にそして氷のような冷たさを持った音で提示されていきます。時折見せる妙にシンプルな和音とリズムは、「こんなに境遇では、何も考えずにいないとどうにかなっちゃうぜ」とでも言いたげな感じ。

開演前、こちらに住む関さんと話していたら、「おお、日本人ですね。お元気ですか?」と声を掛けてくる90歳くらいの腰の曲がった老人がいらっしゃいました。その日本語はとても綺麗な発音でびっくり。それは誰あろうあの元ベルリンフィルの大コンサートマスター、ミシェル・シュヴァルベさん。私は時間の流れを感ずるとともに、シュヴァルベさんがいつまでもお元気でいらっしゃることを願いました。

       hakaru matsuoka

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2006年10月17日 (火)

平和とは?

松岡究です。

この前の帰国時に成城大学のオーケストラを指導に行っていたときのこと。そのオーケストラの打楽器のトレーナーをなさっている大塚さんと久しぶりにお会いして少しだけお話をすることが出来ました。大塚さんは30数年ウィーン放送交響楽団で打楽器奏者として活躍されて数年前に帰国なさった、大変気風の好いそして愛情溢れる方です。

大塚さんは、ウィーンフィルがこの前来日した時にその打楽器の友人の方と色々話されたそうですが、自分の弟子達に是非あって話をしてくれと頼まれたそうです。そこでその弟子達と話をしてみると、彼らはウィーンで育ったトルコ人や中東の若者達だったそうですが、皆優秀で頭が切れる真面目な青年だったそうです。しかし彼らには大きな悩みがあって、「一体自分達は何人なんだ?」と言うことに悩んでいると言うことを伺いました。彼らはドイツ語はネイティブに話しますが、お国の言葉はうまく行かないそうなんです。自分の母国?に帰ってもそんなに母国語がしゃべれない、頭の中はキリスト教国のウィーンで勉強した構造になっている、しかし自分はイスラムであり親もそうである。こういった根源的な悩みを真面目であればあるほど、優秀であればあるほど持っていると聞きました。

イギリス・スペイン・アメリカ等で起こっているテロはこういったイスラム2世・3世が引き起こしていると聞きます。つまり真面目であればあるほど、そこを付け狙ってあるいは利用して洗脳してしまう一部の輩がいるわけです。優秀で真面目な青年であればあるだけ悩みは深く、その抱えている根源的な問題は大きいということなのです。

翻って、日本はそうした問題から本当に遠くかけ離れています。しかしこちらに住んでいると、こうした問題を考えざるを得ないんです。大塚さんも言ってましたが、日本は本当に平和で良い国です。しかし平和ボケもここまでで、これからは来た朝鮮問題を始め色々考えていかなければならない時期に来ているような気がします。

   hakaru matsuoka

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2006年10月16日 (月)

ベルリン国立歌劇場 ドニゼッティ「マリア・ストゥアルダ」

松岡究です。今日ベルリンフィルの11月12月の定期分が発売になりました。ネットで挑戦していたのですが、なかなか繋がらないので、11時発売開始の窓口へ直行。ちょうど11時に着いたら、既に200人くらいが行列していました。私の前には60前後のおば様が4人、後ろには並ぶのを凄く不満に思っていると言うことが顔に書いてあるようなおば様が1人。私は12時20分にやっと順番が回ってきてチケットを手に入れることが出来ましたが、その80分間、前のおば様方は一度も途切れることなくおしゃべりしておりました。そして後ろのおば様はイライラ・そわそわ、不満を顔いっぱいに表して今にも切れそう。私はこの5人のおば様の毒気にやられてしまい、帰ったらぐったり。そのぐったりした中をオペラに足を運びました。しかし行ってよかった。今期最高の部類に入る内容のオペラを堪能しました。

演目   ドニゼッティ:マリア・ストゥアルダ

     エリザベッタ:カタリーナ・カルネウス

     マリア・ストゥアルダ:エレナ・モスク

     ロベルト:ジョゼ・ブロス

     タルボット:クリストフ・フィッシェサー  その他

     指揮:アライン・アルティノグル

     演出:カーステン・ヴィーガンド

これぞイタリアオペラ!と言うくらいに充実した内容でした。まず上記の4人の声が素晴らしい。中でもタイトルロールのモスクとタルボットのフィッシェサーが圧巻!モスクは持っている声の素晴らしさに加え、完璧なコントロール術を見に付けていて、特にアクートの技巧は100点満点。そのピアニッシモは艶やかであのグルベローヴァを彷彿とさせました。フィッシェサーはこれぞイタリアベルカントとでも言う華やかな明るい声にコントロールもしっかりとしている逸材。

指揮のアルティノグルも若手ながら溌剌とした音楽運びで、素晴らしい指揮者。

演出は少しわからないことが多かったですね。多分名門の家系の末裔に舞台設定されていて、そこの家族の中で起こる悲劇として描きたかったのでしょう。1幕はそういった意味ではどちらかと言うとコミカルなタッチの演出。2幕では嫉妬から殺戮に至るまでがよく描かれていたように思います。ただわからないのは合唱。キャストは全員現代衣装、つまりジーパンにTシャツ等。しかし合唱は全員ダーク系のフォーマルな衣装。もう何度か見ないと確実なことはわからない感じです。

今日は9月29日にプレミエを出して5回目の公演。やはりこれだけ回を重ねると歌手もオケも指揮者も皆こなれて良い感じでした。やはり回数は必要ですね。

     hakaru matsuoka

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2006年10月15日 (日)

ノリントン指揮ベルリンフィル バッハ「ロ短調ミサ」

松岡究です。今日は寒かったですよ。一日中気温が上がらずに10度前後で推移してたようです。

今回最も期待していた今日の公演、期待に違わず素晴らしい演奏会でした。

曲目 J・S・バッハ ミサ曲ロ短調

  ソプラノ:スーザン・グリットン

  アルト:カタリーナ・カンマーローハー(予定されていたダヴィッド・ダニエルスが急に歌えないと言うことで急遽、彼女が代役に)

  テノール:ジョン・マーク・エインスレー

  バリトン:デートレフ・ロート

  合唱:リアス室内合唱団

  指揮:サー・ロジャー・ノリントン

素晴らしい演奏会。2時間半があっという間に過ぎてしまいました。勿論それは指揮のノリントンの自由奔放でいながら、フォームはしっかりとしている音楽作りが一番です。そして合唱が素晴らしい。ノリントンの自由奔放ともいえる注文に見事に応え、透明感を失わず最後まで見事に聞かせてくれました。(合唱をする人にとって、このロ短調ミサ曲とベートーヴェンの荘厳ミサは内容・規模からしても東西の横綱のようなものです。この両方を歌えると言うことはその合唱団の音楽的内容が充実していることを意味すると思います。)

ベルリンフィルも全員がノンヴィブラート奏法で曲の陰影を付け、またソロも各々素晴らしく、特にオーボエ・ダモーレのジョナサン・ケリー、トランペットのヴェレンツァイを初めとする3人、フルートのイェルカ・ウェーバー、コンサートマスターのブラウンシュタイン、そしてオルガンのラファエル・アルパーマン、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトらは日ごろバッハをやっている専門家のよう。

時折ノリントンは指揮するのをやめて聞き入っていたり、わざと顔だけで指揮していたり、勿論全曲暗譜での指揮は見ていても聴衆を飽きさせません。ただ惜しむらくは、その自由さ、躍動感とは逆の深遠さが犠牲になっていた感は否めず、私は複雑な心境。これだけの演奏をしておきながら、深遠さが聞えてこないなんて、なんてバッハ演奏は難しいのでしょうか!

     hakaru matsuoka

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2006年10月14日 (土)

ベルリン国立歌劇場 プッチーニ「トスカ」

松岡究です。ベルリンに戻っての最初は「トスカ」です。今日はどんよりとずっと曇っていて、気温も上がらず肌寒い一日でした。

演目 プッチーニ「トスカ」

配役 トスカ:クリスティーネ・オポライス

    カヴァラドッシ:ブルクハルト・フリッツ

    スカルピア:カルロ・グエルフィ

    堂守:ベルント・ツェディッシュ

    アンジェロッティ:サイモン・ベイリー その他

  指揮:ユリエン・ザレムコール

  演出:カール・リハ

今日もほぼ満席に近い客の入り。トスカというポピュラーなオペラになると、やはり売れ行きが違うようです。1時間前に行ってチケットを求めましたが、いつもなら1回の前の方のかなり良い席が手に入るのですが、今日は2階右の5列目(一番奥の列)。舞台が半分しか見えません。

率直な感想は、これくらいの質の歌劇は日本でも見れるのではないかと思いました。主役3人は実に良く歌っていますし、オケも雄弁に音を奏でています。何が物足りないのかと思って聴いて(見て)いました。「あっ、そうか!」ピンと来たのは、演出がカラスがやっていたあの伝説的な舞台にそっくりで、また日本でも同じような舞台を何度も見たことがあったからだと気がつきました。

プログラムには1976年3月3日プレミエと書いてありました。何と30年もこの演出はこの歌劇場で生きていたんですね。

しかし考えてみるに、トスカ程いろんな舞台設定を思いつかせるのはないオペラだと思うんですが。

    hakaru matsuoka

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2006年10月13日 (金)

レッスンの友10月号

松岡究です。

レッスンの友8月号に引き続き、10月号にまた私のコラムが掲載されています。是非音楽書店(ヤマハ・カワイ等)でお求め下さい。

今回は以前にブログでも取り上げた「拍手について」もう一度書いてみました。

      hakaru matsuoka

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2006年10月12日 (木)

10月11日にベルリンに戻りました

松岡究です。久々にブログを書いています。先ほどベルリンに到着しました。

約3週間の日本滞在でしたが、首相が小泉さんから安部さんに代わったり、その安部首相が中国と韓国を訪問している時に、北朝鮮が核実験をやるなど日本はいろんな意味で劇的な時であったのではないでしょうか。

今回のフライトでもその安部首相の「美しい国へ」を読みました。実は2度目でしたが、私にとってはかなり示唆に富んだ本でありました。この本を読んで第一に思ったことは、以前このブログにも書きましたが、やはり歴史ー特に現代史ーの理解が日本人は欠けているのではないかということ、翻って歴史教育がお粗末なのではないかと言うこと、をまず感じました。現代史は中学や高校の先生が教えるには客観的になりにくい点があります。どうしても主観が入ってしまう。そうするとそれは教育ではなく洗脳になったり、間違った概念・考えを植えつける結果にもなりかねないのは理解できます。でも避けすぎているのではないでしょうか?

今回は映画も4本見ました。

「イルマーレ」「もしも昨日に戻れたら」「ハートブルー」「12人のパパ2」の4本です。

「イルマーレ」は韓国映画のハリウッド版だそうですが、時間を越えての愛に切なさを覚えると同時に以前見た「いつかどこかで」を思い出しました。

「もしも・・・」と「12人・・・」はコメディータッチで描く映画ですが、人間の大切なものは何かと言うことを率直に教えてくれました。

「ハートブルー」は「イルマーレ」と同じキアヌ・リーブス主演の映画です。何が言いたかったんでしょうね?それなりに面白かったんですが。まあエンターテインメントですか。

       hakaru matsuoka

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