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2006年9月 6日 (水)

ベルリン国立歌劇場管弦楽団定期

松岡究です。今日のコンサートに予定されていたマルタ・アルゲリッチが案の定キャンセルになってしまいました。代わってバレンボイムがピアノも担当。やっぱりちょっとがっかりしました。このコンサートは明日も今度は会場をフィルハーモニーに移して、ベルリンムジークフェストの一環として行われます。(今日はちなみにコンツェルトハウスでした)

曲目   R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」

      ブーレーズ:ノタシオン(演奏順に)1・3・4・7・2番

      モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調Kv488

      ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98

      指揮・ピアノ:ダニエル・バレンボイム

以上の長大なプログラム。午後8時に始まって終わったのが10時45分でした。一言で言うと今日の演奏会が今回の5回の演奏会で一番満たされませんでした。

まず「ドン・ファン」。いつものように大きな構えから豪壮に繰り広げようとするバレンボイムの音楽は納得がいきます。しかしでてくる音は大雑把そのもので、雑然とした音にはシュトラウスの艶やかさや絢爛たる響きは一度も聴かれませんでした。

ブーレーズの作品は昨日聴いたバッハ/ウェーベルンやピンチャーの作品に比べると大変理知的で考えられた作品。バレンボイムが悪いのか作品にその世界がないのか、全く左脳の世界を脱し得なかった感じです。ただ演奏としては成功していたのではないかとおもいます。

やはり舞台の設定に時間がかかり長い25分の休憩の後、バレンボイムの弾き振りでKv.488が演奏されました。これが今日の白眉で、特に第2楽章のあの何ともいえぬ叙情大変美しかったですね。そのコントラストとして第3楽章の生き生きとした表情も良かったと思います。

またまた舞台転換の為20分休憩後のブラームスもシュトラウスと同じで、オケはどこの田舎のオケなんだと思ってしまうくらい音が雑で音楽の作りも大雑把。おまけに第4楽章ではクラリネットやホルンが行方不明になったりとかなり危ない場面も。

これだけの長大なプログラムをどうしてやらなければいけなかったのでしょうか?シュトラウスかブーレーズのどちらかを外した方が良かったのでは。総じてリハーサルの時間が足らないのが露呈された格好でした。今日は明日のためのゲネプロだったのかも!

オペラのオーケストラは、例えばこの前コーミッシェオパーのオケもベートーヴェンの「エロイカ」は初めてだという楽員が大半でした。ずっとオペラのオーケストラで定年まで勤めたとしてもフィガロやこうもりは何百回も引くでしょうが、エロイカやブラームスは一生に1・2度しか弾かないということも珍しくないのです。

今日の演奏会はそんなことも考えさせられました。

          hakaru matsuoka

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