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2006年9月 2日 (土)

ベルリンムジークフェスト フィラデルフィア管弦楽団演奏会

松岡究です。昨日はフィルハーモニーで三島由紀夫の「午後の曳航」のオペラ公演(演奏会形式)があったそうです。私の友人でこちらで大活躍の小森輝彦さんが出ていらっしゃったそうです。公演は大成功だったようです。

今日からベルリンムジークフェストが始まりました。トップバッターはフィラデルフィア管弦楽団。

曲目   マティアス ピンチャー:エロディアーデの断章

      グスタフ マーラー:交響曲「大地の歌」

  ソプラノ(1曲目) マリソル・モンタルヴォ

  メゾソプラノ 藤村美穂子

  テノール ニコライ・シュコフ

  指揮 クリストフ・エッシェンバッハ

1曲目の30分を要するこの作品をモンタルヴォは何と暗譜で歌っていました。彼女は多分絶対音を持っているようで全く音程を外すことなく、また線の細い美しい声でヘロディアス(こういったほうがピンと来るでしょう)のエロティシズムとロマンを劇的にy対こなしていました。オーケストラも名手ぞろいのようで、音を外すような不安定さは微塵もなく、絶妙なピアニッシモまでいとも容易く表現できるテクニックを持っています。

後半の「大地の歌」では日本の藤村美穂子さんが素晴らしい歌唱を聞かせてくれました。この交響曲はなんと言ってもテノールよりメゾソプラノの出来が曲の出来を大きく左右します。彼女の歌は全く無理のない発声で豊かに歌を紡ぎ出していきます。知的な裏打ちの中に深い叙情を秘めた今日の歌は大成功でした。テノールのシュコフは最初声の伸びも鳴りも悪く、全く何を歌っているのかわからない状況でしたが体が温まってきてからはやっと聞えるようになりました。上の声が所謂喉声で、色が全く一緒になってしまい藤村さんの歌に比べるとかなり開きがありました。

指揮のエッシェンバッハは大変丁寧な音楽作りで、両曲とも響きの透明性を追及した演奏でした。フィラデルフィア管弦楽団はドイツのオーケストラに比べるとかなり音色が明るく、ともすると薄っぺらい印象をまぬかれないと思いましたが、どうしてどうして素晴らしい演奏になりました。曲が終わって10秒以上の沈黙がフィルハーモニーを支配していました。やはり拍手はこうでなければいけないですよね。聴衆の成熟度を痛切に感じました。

      hakaru matsuoka

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