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2006年6月19日 (月)

スティーブン・スローン指揮ベルリン交響楽団演奏会

松岡究です。一昨日のあの雹交じりの夕立以来気温が急降下。昨日は最高が18度しかありませんでした。が今日はまた25度前後まで上がり爽やかな一日。明日からまた30度を超える予報です。

今日は午後4時からのコンサート

曲目 ペーター・ルツィッカ:ピアノと42人の弦楽器奏者のためのシューマンへの4つの断章「接近と沈黙」

    モーツアルト:クラリネット協奏曲(ヨハン・アンドレによるヴィオラへの編曲版)

    シューマン:交響曲第1番「春」

   ピアノ:ウラディミール・ストウペル

   ヴィオラ:タベア・ツィンマーマン

   指揮:スティーブン・スローン

1曲目の曲はピアノがシューマンの「クライスレリアーナ」や「子供の情景」などを弾く外側で、弦楽器が所謂わけのわからないことをやると言う趣向。曲の始めも終わりも私には弦楽器奏者が弾くまねをして指揮者が振るまねをする、つまり心の耳で聴くと言う様な言わばシュトックハウゼン調の音楽だったように思います。終わると会場からため息とも落胆とも取れるようなどよめきが起こりました。当然拍手はまばら。聴衆に若い人が少なくご年配の方が多かったことも原因かな。ピアニストも指揮者もカーテンコールなしに終わってしまいました。

2曲目はモーツァルトのクラリネット協奏曲をヴィオラ用に編曲されたもの。ツィンマーマンは初めて聴きましたが、素晴らしいヴィオリスト。つややかで滑らかな音色が持ち味で、音楽によどみがなく、聴いていてとても爽やか。この協奏曲をヴィオラで聴いても面白いと思いました。しかし弱音になるとやはりオリジナルの方が深みは出るんじゃないかなあ、と思います。

後半はまず1週間前の月曜になくなったリゲティを偲んで、ツィンマーマンに献呈されたヴィオラソナタの1楽章が演奏されました。そのあとシューマンの交響曲第1番。

決して悪くはない演奏なのですが、シューマンて言うのは何と難しい作曲家だろうと改めて思いました。オーケストラが弾きすぎるとダメなんです。「うるさいなあ」と思うことがしばしばあり。テンポをじっくりと落としても如何ともしがたい何かが聞こえてこないんですね。

アラン・ギルバートが3月にベルリンフィルを振った時も、音楽が「ハッピー!ピース!」みたいになってしまってどうにもならなかったのを良く覚えています。

シューマンはモーツァルトやショスタコーヴィッチの影に隠れてしまってるんですが、今年没後150年なんですね。今日はそのこともプログラムとして意識されてたんでしょう。

   hakaru matsuoka

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