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2006年6月 9日 (金)

ベルリンシュターツオパー ヴェルディ「運命の力」

松岡究です。今日は久しぶりにずっと晴れていて、気温も上がり過ごしやすい一日でした。オペラが終わったのが11時。外へ出ると今日のWMの前祝でしょうか、花火が打ち上げられていました。そして南の空には珍しく月が出ていました。ドイツで見るのはひょっとしたら初めてかもしれませんね。多分冬は緯度と天気の関係であまり見られないと思いますので。

演目:ヴェルディ 「運命の力」

レオノーラ:ノルマ・ファンティーニ

ドン・カルロ:アンソニー・ミハエル・ムーア

ドン・アルヴァーロ:フランク・ポレッタ

マルケーゼ:アレクサンダー・ヴィノグラードフ

プレツィオスィッラ イ クーラ:エカテリーナ・ゼメンフク   他

指揮:ミハエル・ギーレン

演出:ステファン・ヘルハイム

昨年の9月にプレミエを出し、今回が同シーズン中の再演。

昨年10月の3回目の公演を見たときよりも、歌手もギーレンも数段良くなって、完全に自家薬籠中のものとした感じ。特に歌手は皆素晴らしくて、休憩後の男性の2重唱は圧巻!この大変な2重唱をなかなか歌える人がいないから、上演機会が少ないオペラなんだろうと思います。またレオノーラを歌ったファンティーニも特に「神よ、平和を与えたまえ」は素晴らしい出来でした。前回聞いたときよりも数倍楽しめたオペラになっていました。

演出のヘルハイムは序曲の最後が明るく終わるのがきっと気に入らなかったのでしょう。序曲を3幕と4幕の間に演奏するようにしていました。なるほどここで運命の3つの音が響けば、物語は劇的になります。しかし演出にはかなりブーイングが出ていました。

指揮のギーレンも前回よりは良かったと思います。前回はオーケストラも歌手ももう一つまとめ切らないまま本番を迎えた感じでした。現代音楽のスペシャリストとして名を馳せた彼のキャラクターは、この「運命の力」の劇性を表現するには異質なかけ離れた音楽性だと思います。特に前半は音が素直に並んで演奏されており、曲の持つドラマが希薄になっていました。今年80歳ですが元気でかくしゃくとしており、まだまだ意欲満々で取り組んでおられるようです。

    hakaru matsuoka

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