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2006年6月 3日 (土)

ダニエル・バレンボイム指揮ベルリンフィルハーモニー「ヨーロッパコンサート2006」

松岡究です。今日は一日穏やかな日でした。久しぶりです。朝こそ寒かったんですが、昼はもうコートが邪魔で、持って歩きました。

今日はベルリンにお住まいの関さんからお借りした「ヨーロッパコンサート2006」のDVDのコメントです。

曲目:オール・モーツァルト

   交響曲第35番ニ長調「ハフナー」

   ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 ソロ:D・バレンボイム

   ホルン協奏曲第1番ニ長調 ソロ:ラデク・バボラク

   交響曲第36番ハ長調「リンツ」

バレンボイムのモーツァルト解釈は例えば現在ほとんどの指揮者が、ベーレンライター版を使用しているのが常識になりつつ中で、頑として旧ブライトコプフ版で構わないと言う姿勢が示している通り、モーツアルトにおいても往年のテンポ感覚、往年のオーケストラの奏法でやっています。古楽器がどうのこうのなんていうのは微塵も感じられないその姿勢は、バレンボイムだから出来ることでしょう。しかしここに大きな問題提起があって、古楽器的奏法を現代楽器のオーケストラに下手に持ち込むと表現力が著しく低下して聞こえたり、オーケストラの楽員に迷いが生じてアンサンブルに欠陥が出てきたりということがあります。ですからどのオーケストラでも現代楽器奏法のみをやってきた所謂古参の楽員にはこの古楽器奏法はかなり抵抗があるようです。

最初の「ハフナー」の音が鳴った途端、ベルリンフィルのゴージャスな音とともに何か違うんだよなと言う違和感を感じるんですね。モーツァルトってこういう風にやると、綺麗な衣装をまとって典雅で美しく古典的なスタイルのよい音楽、または所謂ヒーリング系(1/F揺らぎとか言う)の音楽になってしまう気がするんです。

私はモーツァルトってなんて退屈な作曲家なんだろうと大学の頃まで思っていました。それが古楽器のグループがモーツァルトを演奏するようになって、目が覚めたんです。「モーツァルトはちょっと手でも傷つけようものならそこから血が吹き出て、あるいは血沸き肉踊る決して典雅と言う言葉とは似ても似つかない物凄くエキセントリックな音楽なんだ」と悟った途端、大好きになったんです。そして私にとってとても大事な作曲家になりました。

ですからバレンボイムのモーツアルトはその退屈極まりないモーツァルトなんです、私にとっては。(ですからベームもカラヤンもワルターも私にとっては1/F揺らぎなんです。だって寝ちゃうんです。)ただ素晴らしかったのはピアノ協奏曲です。特に2楽章、そして3楽章の例のゆっくりになったところは、彼がやはり1流の音楽家である証明であったと思います。あの音楽の深さをDVDであそこまで感じさせてくれると言うのは彼が本物であると言うことに間違いはないと思います。がしかし・・・・・・と言うのがこのDVDを聞いての感想でした。

ホルンのバボラクは昨日もちょっと書きましたが、全ステージに載りかつ鮮やかに協奏曲を吹いていました。、自分のお国に錦を飾ったのが嬉しかったんでしょう、本当にいい笑顔で聴衆の拍手に応えていました。

       hakaru matsuoka

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