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2006年6月17日 (土)

祝100記事達成  ベルリンの聴衆に愛されたケント・ナガノ指揮ベルリンドイツ交響楽団演奏会

松岡究です。今日で100記事目になりました。有難うございました。

今日も日中は暑く連日30度を優に超える気温です。WMもたけなわで、どこへ行ってもサポーターだらけ。街中を大声で国旗を持ってはしゃぎまわる若者がたくさんいます。

20時からのコンサートのちょうど30分前、いきなり雷が鳴り出し雹が降ってきて大雨。慌ててソニーセンターに非難し、20分ほどして小康状態なったときにバスに乗り込んで200メートル先のフィルハーモニーへ。何とか開演時間に間に合いました。

曲目;ベートーヴェン  荘厳ミサ曲

   ソプラノ:アンネ・シュヴァーネヴィルムス

   アルト:マリー・ニコレ・レミュー

   テノール:クラウス・フローリアン・フォークト

   バス:ギュンター・クロイスベック

   合唱:ベルリン放送合唱団  合唱指揮:サイモン・ハルセイ

   指揮:ケント・ナガノ

曲が終わって5秒ほどの沈黙のうちに拍手が起こります。それから15分間拍手は鳴り止まず、何度も舞台に出てくるナガノ。おしまいはスタンディングオベイションになりました。オーケストラのシェフとして6年間その職責を果たしてきたナガノにオーケストラから感謝状と花束が手渡されました。

以前にも書きましたが、彼は「無」と言う物をオーケストラに持ち込んだある意味では真に日本的な男だと思います。思い返すと、彼の演奏会は必ず各楽章の始まる前に会場は水を打ったような静けさが支配するんです。そして徐に音楽が奏でられる。こういった「間」があることは他の指揮者ではほとんどありません。彼の演奏会のみなんです。なんとなくがやがやした中で音楽が始まることが多いのがベルリンの演奏会の特徴と行っても良いくらいです。その中でこういったとても基本的ともいえる空間をいつも作り出していたケント・ナガノは、本当に聴衆にも楽員にも愛されていたことがよくわかりました。

今日の演奏もご多分に漏れず各曲間に長い集中時間があり、それがこのミサ曲の持っている所謂荘厳さとあいまって、とても聴き応えのある演奏でした。勿論大変な難曲なのでオケやソリストに傷が多かったのは残念なことでしたが。切り口はとてもスマートなんですが、じっくりと落ち着いたたたずまいはこの曲にふさわしい演奏でした。そんな彼はやはり日本にはなかなか寄り付かないでしょう。(私の言わんとしている事はもうお分かりでしょう。多分何度かの来日で、大分懲りてるんじゃないかなあ。)

プログラムに「カリフォルニア生まれの指揮者がバイエルン国立歌劇場とモントリオール交響楽団の主席指揮者になる。」と書いてありました。やはり画期的な出来事なのでしょう。

     hakaru matsuoka

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