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2006年6月22日 (木)

今日は難しい!ハンス・ウェルナー・ヘンツェ80歳記念演奏会

今日はコーミッシェオパーの「椿姫」にしようか、ベルリン放送交響楽団にしようか迷いましたが、椿姫はもう一回28日にあるので、ベルリン放送交響楽団の演奏会に行ってきました。実は内心千載一遇の機会だと思っていました。ただヘンツェということもあって、少々足取りは重かったのですが。前売りは30ユーロから15ユーロ。当日は30ユーロの席が10ユーロでした。その意味ではラッキー!!!

曲目:オール ハンス・ウェルナー・ヘンツェ作品

  インゲボルグ・バッハマンの詩によるソプラノと大オーケストラのための夜の小品とアリア

  ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲第3番  トーマス・マンの小説「ファウストゥス博士」に基づく3つのポートレート

  交響曲第8番

  ソプラノ:クラウディア・バラインスキー

  ヴァイオリン:ダニエル・ホープ

  指揮:マレク・ヤノフスキ

千載一遇のチャンスではあったんですが、はっきり言ってこのような演奏会には行きたくないです。

一曲目はソプラノのバラインスキーがとても節度のあるコントロールで歌っており、さすがはいろんな現代曲を初演してきた実力者だと思いました。音程は正確で発声も無理がなく透き通った声です。

2曲目はホープがこれまた素晴らしい。プロフィールに「ワイル、シュニトケ、武満、・・・の作品に関して彼に任せておけばなんら心配ない」ということが書いてありました。全くその通りで、ほぼ完璧にこの曲を弾ききったのではないでしょうか。

3曲目は小沢征爾さんがボストンで初演した作品。日本でも広告だけ見た覚えがありますが、確か差し替えになったんじゃなかったかな。30分弱の作品でした。

総じてヤノフスキは大変的確に高度な職人技でこの3作品を振ってのけました。ただ私の聴いた感じでは、もっと魂の叫びだとか痛みだとかそういった部分がすっと美しく通り過ぎてしまっているような気がして、とても整った演奏なんですが一種のつまらなさを感じたまま演奏会は終わってしまいました。

現代音楽の演奏会の常だと思いますが、こういった交響楽団での定期でこのようなプログラミングをすると、途中で席を立つ人や全く拍手をしない人がかなりいます。そして休憩後には2割以上の方が帰られた様で、かなり空席が目立ちました。

それにしてもこのようなドイツ魂の音楽を聴くと疲れます!シェーンベルクやベルクばかり聴いた後もこのような感じになることが多いですね。

現代音楽とは何でしょうか?私にはその答えはまだ出せません。

   hakaru matsuoka

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