ベルリン国立歌劇場ドニゼッティ「愛の妙薬」
松岡究です。今日はまた一日中寒い日でした。朝からずっと雨が降っていて、気温も全然上がりませんでした。ハイツング(暖房)がまた入るようになって、助かりましたが、6月でもこの寒さ。ベルリンは寒いなあ!
演目:ドニゼッティ:愛の妙薬
アディーナ:アンナ・サムイル
ネモリーノ:パヴォル・ブレスリク
ベルコーレ:アルフレード・ダーツァ
ガエターノ:アレクサンダー・ルフィング
ドゥルカマーラ:ナターレ・デ・カロリス
ジャンネッタ:アドリアーネ・クヴァイロズ
指揮:ヴェッロ・ペーン
演出:パーシー・アドロン
愛の妙薬がこんなに素敵なオペラだったとは、恥ずかしながら今の今まで知りませんでした。と言うのは今まで見たこの作品が、特に演技の点でしらけてしまっていたからだと思います。またCDなどでも妙にアジリタ(声を転がす技術のこと)を多用したような、どう聴いても非音楽的なCDしか聴いてなかったこともあると思います。だから、今の今まで「人知れぬ涙」でのみ有名なんだと固く信じていました。
しかし違いました。どうしてこの作品がここまでいろんなところかかるのかやっとわかりました。アディーナを歌ったサムイルは明るい豊かな声で、そして大変音楽的にこの役を歌ってピカイチ。ブレスリクも最初から最後までネモリーノを演じきってこれも素晴らしかったです。「人知れぬ涙」がこのように強い歌だとは知りませんでした。つまり日本では甘く悲しく歌う人がほとんどなのでそういう歌だと思っていたのですが、違うんですね。
ある意味でこの主役2人以上に活躍したのが、ダーツァとルフィング。彼らの声もさることながらそばい達者さがこのオペラを飽きさせず楽しく見させてくれました。
指揮のペーンはオーケストラから結構いろんな色を引き出していて、とても好感が持てました。演出はこんなもんかな。
ただ以前も書いたと思うんですが、合唱がよくない。集中力に欠けたようなアンサンブルの乱れが結構あったり、演技はしてるんだけど「声本当に出してんの?」と思えるようなところがあって、これこそちょっとしらけちゃう。ベルリンの3つの歌劇場そして放送、Riasなどの合唱団では一番問題ある(はっきり言えばへた)と思います。
hakaru matsuoka
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