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2006年5月24日 (水)

五嶋みどりヴァイオリンリサイタル

松岡究です。今日は五嶋みどりのリサイタルです。こちらではMIDORIとして売っています。会場はフィルハーモニーの室内楽ホール。

曲目

シューベルト:ソナチネニ長調 op.posth.137No.1

プロコフィエフ:ソナタ第1番へ短調 op80

シェーンベルク:ファンタジー op47

ベートーヴェン:ソナタハ短調 op30No2

共演:ピアノ  ロバート マクドナルド

今日も素晴らしいコンサートでした。今年の1月にドイチェス・シンフォニーに客演して、シベリウスのヴァイオリンコンチェルトをケント・ナガノと共演した時も最初の1音が弾かれるや否や会場がヴァイオリンの音で満たされ、それが単に音が通るとか美しいなどと言う次元ではなく、全く音楽的に最高の次元で提示されたのを鮮明に記憶しています。

今回も最初のシューベルトから全く無理のない気品のある自然な音楽と呼吸でコンサートが始まりました。共演のマクドナルドも見事なピアノ。MIDORI共々陰になり日向になり、二人で音楽を楽しみ且つ我々にしっかりしたメッセージを届けてくれます。

2曲目のプロコフィエフは今日の白眉。会場はその音楽の持つ緊張感に身じろぎ一つしないで静まり返って二人の演奏を聞いていました。特に印象に残っているのは1楽章の重く深い精神性と3楽章の清らかな水が流れるようなピアノの上にさらに純度の高いヴァイオリンが小船が流れていくがごとく流れていく音の世界。まさにプロコフィエフの世界をほとんど100%表現しえていたのではないでしょうか。

後半はドイツの代表的な2人を並べてベルリンの聴衆に「どうだ!」と言わんばかりのプログラム。シェーンベルクは意に反して少し明るすぎたきらいがあったものの、ベーとーヴェンでは作品の持つたくましさと優しさを本当に丁寧に、気高く示してくれました。

このようなコンサートを提供してくれるベルリンと言うところは、本当に面白い飽きないところです。日本ではなかなか手に入らない彼女のチケット。でも今日は7割くらいの入りでした。同じフィルハーモニーの大ホールではブーレーズがシュターツカペレを振って、マーラーの「千人の交響曲」をやっていました。

   hakaru matsuoka

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