« 五嶋みどりヴァイオリンリサイタル | トップページ | ベルリンの音楽界 »

2006年5月26日 (金)

ベルナルト・ハイティンク指揮ベルリンフィル演奏会

松岡究です。今日も薄ら寒い日でした。家にじっとしていると体温が奪われていくような感じを受けます。

今日の朝10時から、ハイティンクのゲネプロを見ました。最初にブルックナーをやっていましたが、大変端正な音楽作りで非常に好感が持てました。いやがうえにも本番に対する期待が高まりました。

曲目

メンデルスゾーン:ルイ・ブラス序曲

モーツァルト:ホルン協奏曲第4番変ホ長調Kv495

ブルックナー:交響曲第6番イ長調(ハース版)

ホルン:シュテファン・ドール

指揮:ベルナルト・ハイティンク

大変素敵な肩のこらないコンサート。多分ハイティンクのスタイルと人間性がそうさせているんじゃないかと思います。私の目指すべき目標がある感じがします。

まずルイ・ブラス序曲。最初の管楽器によるファンファーレが朝のGPの時とは違って、いささか力が入りすぎた感じ。朝の時は実に柔らかいいい響きだったのに、どうして?と思ってしまいました。客が入ってかなり音をすわれているのは確かだけれど、やはりベルリンフィルの奏者と言えども人間なんだなと思いましたね。

2曲目のホルン協奏曲も朝のほうがのびのびと吹いていたように思います。ですから1楽章は彼には珍しく2・3回ミストーンがあったんです。しかし音色は素晴らしいし、音楽の運びも特に2楽章あたりから大変自然になってきて心地よい音楽が聴けました。

後半のブルックナーは彼の交響曲の中ではあまり演奏される機会の少ない作品です。しかし今日聴いてみて思ったのですが、この交響曲は実に愛すべき魅力に溢れた作品であると言うことが良くわかりました。特に第2楽章はまさに「至福」に満ちた何と心優しい音楽なんでしょう。ブルックナーを論ずる時に、構築性や宗教性、宇宙観等すぐ壮大な主題で論じやすいと思うのですが、この作品はそれとは全く逆に、暖かい人間性や優しさ、幸福感等の人間としてのブルックナーを一番よくあらわしている作品ではないでしょうか。そう言った作品の魅力をこうやって認識させてくれる指揮者はそんなにはいないでしょう。見栄や張ったりは全くなく実直にしかしエネルギッシュに指揮していくハイティンクにいつしか指揮者としての一つの理想像を見ていました。彼の音楽は若々しく、端正で且つエネルギッシュです。

昨年ドビュッシーなどを聞いたときはその持っている真面目さが裏目に出て音楽に遊びや洒脱があまり感じられず、少々退屈した記憶があるのです。こういったところが日本人には受けないところなんでしょうね。残念です。今年の9月からハイティンクはシカゴ交響楽団の主席指揮者になるということです。

拍手の問題といい、日本人はまだまだ成長しなければいけない、勉強しなければいけないことがたくさんありますね。ハイティンクの良さがわかる人がうんと増えてきた時に日本も成熟して来るんではないでしょうか。

   hakaru matsuoka

|

« 五嶋みどりヴァイオリンリサイタル | トップページ | ベルリンの音楽界 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 五嶋みどりヴァイオリンリサイタル | トップページ | ベルリンの音楽界 »