ハンス・ツェンダー指揮ベルリンドイツ交響楽団演奏会
松岡究です。昨日が聖金曜で祝日。きょうも本当はイースターの最中なのですが、祝日ではありませんでした。(でもKARSAMSTAGー聖土曜日ーと言ってただの土曜ではありません。)というわけで慌ててスーパーへ買出しに。昨日買ったイースター用パンは甘すぎてちょっと食べるのには・・・でベッケライにも寄り道。皆さん「良いイースターを」「イースターおめでとう」と声を掛けてくださいます。少し感激!
今日はベルリンドイツ交響楽団(ドイチェス・シンフォニー)の2日目の演奏会。同じオーケストラでも、昨日とはほとんど違うメンバー、当たり前のことですが。
曲目ハイドン:交響曲第49番「受難」
ツェンダー:BARDO
ハイドン:交響曲第95番
以上3曲。指揮者で作曲家のツェンダーの作品はハインリッヒ・シフが弾く予定だったのが病気でグスタフ・レヴィニウスに急遽変更。この季節よく病気で降板するのが多いです。グルベローバもそうでしたしね。
ハイドンの49番は私も一度指揮した経験があります。シューベルトの「死と乙女」そっくりの序奏。本当に素晴らしい作品です。1月小はAGAGIOのままずっと演奏されその悲劇性を強調するかのよう。各楽章同士でコントラストが考えられている作品です。ツェンダーは後半の95番でもそうですが、作品のありにままを忠実に再現して作品の持つ良さを充分に引き出していました。私は中学・高校の頃、演奏会に行って嫌いになった曲が何曲かあります。「展覧会の絵」「幻想交響曲」・・・今では大好きですが、信じられないでしょう?でも事実なんです。それは演奏者・オーケストラの演奏が多分余りにも悪かったからです。つまりその曲の真価をはっきり聴衆に知らしめ、出来うれば「良かった、感動した」と言って帰ってもらうのが演奏者の使命。それはプロもアマチュアも関係ありません。そういう意味では今日のこのツェンダーはその責任を十二分に全うしたんではないでしょうか。95番はハ短調で始まってハ長調で終わると言うベートーベンの「運命」と同じ調性。しかしベートーベンがそこに「苦悩から歓喜へ」という公式=哲学を盛り込んだのに対し、ハイドンのは「昼と夜」「夜の中に向かう光」と言うか、所謂2極構造を表している作品です。しかしこういった調性の大胆な発想は、既にハイドンがベートーヴェンの前に行っていたことを知ると、ベートーヴェンの出現はハイドンなくしてはあり得なかったんだと言うことがよく理解できます。
シフに代わってチェロを弾いたリヴィニウスはとても美しい音色と気品を持っており、大変素晴らしいチェリストでした。急遽現代曲の演奏での代役でここまでの演奏をするということは彼が非凡な人であるということを示していると思います。
hakaru matsuoka
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