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2006年4月27日 (木)

ベルリン国立歌劇場ウェーバー「魔弾の射手」

松岡究です。きょうはシュターツオパーでの公演。

演目

ウェーバー:魔弾の射手

主な配役

マックス:ブルクハルト・フリッツ

カスパール:ハンノ・ミューラー・ブラッハマン

アガーテ:カローラ・ヘーン

エンヒェン:シルヴィア・シュヴァルツ

指揮:ユリーン・ザレムコール

演出:ニコラウス・レーンホフ

会場はほとんど満員。私は開演の40分前に当日券を買ったのですが、もう10席くらいしか残ってなくて以外!「魔弾がそんなに人気があるの?」って思っちゃいました。

まず歌手ですが、カスパールを歌ったブラッハマンが素晴らしい声と2幕2場でのおぞましいさをよく演じ歌っていました。彼がいなかったら今日のこの公演は全く締まらなかったでしょう。マックスのフリッツも決して悪くはないのですが、もう少しドラマが聴きたかったですね。2人の女声はどちらもそんなに大きな声ではありませんし、その声量からすると日本人と全く変わらない感じです。しかしピアニッシモの歌い方、そして無理を決してしない歌いまわしは一日の長あり。

指揮のザレムコールはダン・エッティンガーと並んでこの劇場のカペルマイスターです。どちらかというとこのザレムコールの方がドラマティックに音楽を持っていくように思います。今日も2幕2場は凄みを持って聴かせてくれました。コーラスとオーケストラのずれがいたるところで目立ち、これは興ざめ。レパートリー上演の難しさですね。つまり練習不足がこういうところに出てきちゃうんです。シュターツカペレのコーラスはちょっと質が落ちるんじゃないかな。良いハーモニーをあまり聴いたことがないのは残念。放送合唱、RIASの合唱団なんかは物凄くうまいですけどね。

このオペラを見ながらつくづく思ったのですが、1幕や2幕1場などは垢抜けない田舎くささが目に付いて、どうしようもなくつまらなく感じたんです。それが2幕2場で音楽も芝居も物凄いドラマを突然見せるわけですが、ここに今日まで上演されてきた理由があるのでしょう。ドイツオペラにおいて、この時代の作品はこの「魔弾」と「フィデリオ」くらいしか上演されません。シューベルトもシューマンもオペラはいくつか書きましたが、世界の劇場がこぞってレパートリーに組み込むほどではないこと等を考えるにつけ、ワーグナーとR・シュトラウスの登場がいかに待望久しかったかは容易に察しがつきますね。

もう一つ、今日も拍手が早いんですね。オーケストラの音がまだ鳴っているのに拍手する人が必ずいるんです。映画や芝居と間違えてるんじゃないでしょうか。この作品はそんなに音楽が繊細な物ではないので、先日のラトルの「ペレアス」のように土足で踏み込まれたようには感じませんでしたが。それにしてもどうにかならないのかな!!!

    hakaru matsuoka

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