バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管コンサート
松岡究です。今日は「フェストターゲ」の3日目。フィルハーモニーにおいて、バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団のコンサートを聴きました。曲目は
シェーンベルク:清められた夜
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Vn ニコライ・ズナイダー
マーラー:交響曲第1番「巨人」
総じて、前2日のオペラよりも完成度は低かったように思います。でも悪くないコンサートではありました。まず「浄夜」。弦の配置は左から第一Vn 第一Va,Vcその奥にCb、第2Va、第2Vnというフォーメーション。はっきり言うとアンサンブルが今ひとつで、この曲は本当に音が清められてなければいけないのに、まだ不純物が多すぎるというか、ろ過の途中のような結果になっていました。
メンデルスゾーンはズナイダーの透き通った繊細な音色と、バレンボイムのメリハリをつけたオケのリードでとても楽しめましたが、明らかにバレンボイム主導の音楽。終楽章などはもう少しズナイダーに歌わせて欲しかったです。
最後のマーラー、意外にあっさりしたマーラーでテンポの揺れもさほどなく、どちらかと言うと直情的。歌劇場のオーケストラがコンサートをする場合、所謂シンフォニーオーケストラが弾きなれているような曲でも初めてのことが多いはず。なぜ奏者が歌劇場に入るかというとシンフォニーよりもオペラが好きだという人が多いのは当たり前のことですよね。バレンボイムの指揮だとこういうオーケストラにとってはとても不親切なところがあるような気がします。もう少し棒で見せてあげるところが多い方がオケにとってはありがたいのでは。アインザッツも3分の1くらいしかあげていませんし、オケに任せすぎのところが多くて、ハラハラドキドキするところが何箇所かあったのはいかがなものでしょう。会場は沸いて、スタンディングオベイション。でもこれは疑問!!!ベルリンもどこもそうだけど、ビッグネームに弱いんだなあ。
また違った立場から見ると、バレンボイムの音楽はとてもスケールが大きい。私にはとても大きな桐の箱をバレンボイムが用意して、その大きさにはまるように音楽を作ろうとしているんだけど、「パルジファル」のようにとてもうまくその箱にうまく収まると何ともいえない凄い音楽になるのに、今日は箱がでか過ぎて、却って隙間が多く出来すぎ、中でがたがたした分いろんな傷が出来たり、欠けちゃったりしたんじゃないかな。
バレンボイム特集は一応終わりです。
hakaru matsuoka
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コメント
門馬です。
最後の、“大きな桐の箱”、とても分かり易い譬えですね。
「バレンボイムが用意した箱、その大きさにはまるように音楽を作ろうとしているんだけど、「パルジファル」のように、その箱にうまく収まると何ともいえない凄い音楽になるのに、今日は箱がでか過ぎて、却って隙間が多く出来すぎ、中でがたがたした分いろんな傷が出来たり、欠けちゃったりしたんじゃないかな。」
投稿: momma | 2006年4月13日 (木) 09時42分