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2006年3月 7日 (火)

ベルリンドイチェオパー「アイーダ」

松岡究です。今日はドイチェオパーの「アイーダ」です。この演出は今は亡きゲッツ・フリードリッヒの物で、1982年にプレミエを出して以来24年間続いている物です。出演者の動きは少ない物の、場面設定や舞台装置は良く考えられた物で、24年間続いてきた根拠が判る気がします。指揮は2月にコルンゴルトの「死の都」を指揮したフィリップ・アウガン。彼はヴェルディの最後から3番目のこのオペラを見事に振りました。完成度としてはコルンゴルトよりこちらの方が良かったと思います。7時半に始まって終演が10時45分、3時間あまりを全く飽きさせず、弛緩することなく持っていったのは彼の手腕の高さを物語っているのではないかと思います。彼はもう一度9日に「アイーダ」をやって、小沢さんの代役となった、上野の森の「オテッロ」に来日するのではないでしょうか。はっきり言って期待していいと僕は思います。

歌手は主なところを上げると、アイーダがミシェーレ・クリーダー、アムネリスがマリアンネ・コルネッティ、ラダメスがフランコ・ファニーラ。他にアルテュ-ル・コチニアン、ピエール・ダラース等。それぞれが声も持っているので本当にイタリアオペラの醍醐味を充分に味わわせてもらいました。特にアイーダを歌ったクリーダーはすばらしく、フォルテからピアノまで自由に歌い分け、ただ声を聞かせるのだけではなく、アイーダの純な心と内面性を表現してすばらしい出来でした。ファニーラは「清きアイーダ」が悪くはないものの、やはり硬かったですね。下のF音に戻るたびに不必要な装飾音が付いてしまって残念。しかし彼も上から下まで均一な音色を持っていて(つまり上の音で開いたり、張り上げたりと言うことがないですし、下の音も良く響きます。)、これはちゃんとした歌い手である証拠。歌い手に限らず、楽器は皆上から下まで均一な音色を持つことがプロとしては求められます。それが一流になる一つの必要条件に違いありません。今日の特にこの2人の歌い手はそう言いきれる2人だったと思います。

       hakaru matsuoka

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