カルメン終わりました
松岡究です。昨日無事に「カルメン」終わりました。大変多くの大客様に来ていただき感謝申し上げます。私がこのようなメジャーなオペラを指揮するのは、あまりないことです。手垢のつききった作品を指揮することは日本初演の作品を指揮するのとは全く違った難しさがあります。はっきり言ってかなり悩みました。プロデューサーからもかなりきついクレームがきましたし、何しろ稽古に参加したのが3月14日でしたので、キャストの皆さんと意思の疎通を図るのが大変でした。やはりオペラは時間を掛けなくてはいけませんね。
私がコーミッシェオパーの友人に今回の日本でのスケジュールを言ったら、それは不可能だと一蹴されてしまいました。しかしそのところを何とかしなくては、来ていただくお客様に悪いですし、また自分にとっても悪いことになってしまいます。プロデューサーの言葉も新はとても温かい心から発せられているのはちゃんとわかっていました。かみさんからもきつい言葉をもらいましたし、今回ほど考えさせられた公演はありませんでした。しかし特に2日目は自分でも楽しく出来たように思います(初日はそんなこんなで頭がいっぱいで、余裕がなかったですね。)。
今回のカルメンを聴きにいらしていただいた方にお願いがあります。どうか忌憚のない意見・批評をぜひお聞かせください。それが私にとって大変な糧になります。どうか宜しくお願いいたします。
明日28日ベルリンに戻ります。またベルリンからどんどんブログを書かせていら抱きますのでまたよろしくお願いいたします。
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コメント
カルメン公演、ありがとうございました。26日に拝見しました。同好の諸氏の感想を求めて探しておりましたら、松岡さんのページが見つかりました。
さて、内容を見てビックリです。あれで、10日ぐらいしかかけていない・・・あり得ないです。少なくとも、オーケストラは完全に掌握していたように聴こえます。コーラスとの関係は、見事! 歌手のみなさんも、気持ちよく歌っていたようにみえましたが。
特に、音楽的にやや萎んでくる感のある、後半2幕の印象が良かったのが、終演後の、あの熱狂に繋がったと思います。第1幕は、大人しめでしたね。ハバネラを盛り上げなかったのは意表をつかれましたが、面白いコンセプトです。第2幕は、エスカミーリョのところが、コーラスとの関係で抜群に面白かったです。
管弦楽は、ホールにちょうどいい響きが、適度にコントロールされて聴こえ、弱音の抑えを聴かせたいい演奏です。
オランジュ音楽祭のプロダクションがきたとき、マエストロ・チョンが振ったときの記憶と比べても、響きのつくり方が繊細で、弱音が丁寧にアピールできたために、強奏部の高揚感も十分でした。序曲や、第2幕前半のハイライトで、弦群のプレゼンスが足りなかったのは、オーケストラの日ごろからの問題であると思います。
無遠慮に書きなぐりました。URLのブログ、立ち上げたばかりですが、こちらに感想をアップしていきます。素人の放談ですが、ご興味あればお越し下さい。
投稿: アリス | 2006年3月27日 (月) 18時13分
松岡さん、『カルメン』お疲れさまでした
以下、寸評です。
☆初日の3/25公演は、2幕と3幕で、私、チョッと睡魔に襲われてしまいました。曲想が平板になると、多分タイクツするのでしょう、最近しばしば眠気が襲ってくるのです。老化現象かもしれませんが、人間の身体はつくづく正直だなとも思うのです。で、この話、奥様経由でお耳に達したのでしょうか、二日目の3/26公演は一転、オーケストラは躍動感あふれる演奏になったと思います。
☆ソリストですが、初日のホセ君は若さ溢れ、カルメンに翻弄されるはずが、勢い余ってカルメンを圧倒してましたね。
☆カルメンは、ただひたすら自由奔放、感情の赴くままの女を単純に演じてくれれば云うことナシなのですが、これ、我々邦人には簡単なことではないのでしょう、特に二日目はキャリウマっぽい風情がちらつきました。
☆エスカミーリョの登場は、その都度、意表をつく演出で楽しめました。初日の最終幕は、プレスリー・オン・ステージを思い出させ(演出の意図通り)笑えました。
☆ミカエラは、両日とも安定した歌唱でしたが、特に二日目は、秀逸だと思います。 ブラーヴァ!
投稿: Momma | 2006年4月 5日 (水) 00時36分