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2006年3月 6日 (月)

ベルリンの友達 3

松岡究です。今日は昨日ちょっとご紹介したように、ベルリンコーミッシェオパー管弦楽団で第2コンサートマスター(ミストレス)を務めていらっしゃる米沢美佳さんをご紹介したいと思います。

私が去年の4月にここに来て研修員として初めて見たオペラが、ブリテンの「アルバート・へリング」でした。このオペラはオーケストラが舞台とピットに分かれてやる趣向になっているのです。舞台上のオーケストラは勿論衣装を着けています。そしてその舞台上のオーケストラの一人がやたらにうまいのをこの私が見逃すはずはないでしょう。私は「あのヴァイオリンうまいなあ、もう弾き方から違う!誰がやってるんだろう?でもなんか、東洋人のような顔してるなあ。」と、休憩時間に劇場張り出されているキャスト表を見ると、Mika Yonezawaと書いてあったんです。「あ、日本人だ!このオケの団員なのかな?」 私の最初の出会いはと言うか、一方的な出会いですがこうやって始まりました。そして3週間くらい経った時、例のチャイコフスキー「エフネギー・オネーギン」のオーケストラ練習が早くも始まりました。私は立ち稽古とオケの稽古を掛け持ちして見に行っていたのですが、そこで米沢さんを発見しました。「あ、やっぱりここの団員なんだ。」 何日か過ぎた頃、向こうから「こんにちは」と声を掛けてくださったんです。「何か困ったことがあったら、いつでも言ってきてください」との温かい言葉!「ああ、いい人だなあ」と感激しました。(でもすぐに「助けてください」なんてそんな甘えたことは言いませんでしたよ。)彼女はとてもざっくばらんと言うか明るくて物怖じしない性格の方なんです。

その後色々お話しするようになったんですが、実は先日彼女の自宅にお招きいただいたんですね。勿論彼女はもうちゃんと結婚してらっしゃいます、はい。そのお相手はここのオーケストラの主席ソロチェリストのクライフ・カルナリウスさんです。(この方のチェロも抜群にうまい!すばらしい音色の持ち主です。)暫くぶりの休日だったとのことで、自宅で手巻き寿司などをご馳走になりました。ベルリンでしかもこういった家庭で日本の味を味わえるなんて、贅沢ですよね。日本語の達者な2人のお嬢さんもいらして、これまたびっくり。上の8歳のお嬢さんはもう立派なバイリンガル、下の3歳のお嬢さんはむしろ日本語の方がうまいんです。

そんな米沢美佳さんは、昨日はコンサートミストレスとしてピットインしておられました。私は3階のピットが見える天井桟敷みたいなところでいつも聞いていますが、いつもピットから手を振ってくださいます。曲の後半、その彼女が慌ててピットを出て行くんです。「きっと弦が切れたんだ」と自分勝手に思っていたところ、びっくり仰天!スーツとパンツルックに着替えて、颯爽と舞台に出てきてソロを弾かれたんです。僕は初めて彼女のソロを聴いたんですが(いつもはアンサンブルや、オーケストラの中でしか聴いたことがなかった)、その音色は大変美しく瑞々しく、そしてピリッとした凛々しい音楽。思わず「かっこいい!」と心の中で叫んでいました。

このご夫妻はトリオもなさっていると言うことなんです。しかしお二人とも専属でいらっしゃるので、劇場がOFFの時が主な活動時期になってしまいますが、劇場があるときも、時間を作り出してトリオをなさっていると言うことです。また、凄いのは、米沢さんは古楽器も弾かれるんですね。そして古楽器のアンサンブルも最近結成なさったばかりです。(多分その古楽器に対する理解が昨日の名演を作り出していたんだろうと思います。)時々里帰りなさっては、いろんなところでトリオの演奏会をされているようです。

皆さんもこういうすばらしい方がいらっしゃると言うことを記憶していていただけたらと思います。

      hakaru matsuoka

追伸:プロフィールの公開にやっとあいなりましたので、見てやって下さい。

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