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2006年3月 5日 (日)

ベルリンコーミッシェオパー「アルツィーナ」

松岡究です。今日もコーミッシェオパーの公演から、ヘンデルの「アルツィーナ」。指揮は2月17日に定期で客演した、パウル・マックレーシュです。そう、皆さんにまたご紹介したい方がいるんですが、今日の公演のコンサートミストレスは米沢美佳さん。このオパーの第2コンサートマスターで、今日は舞台に載って、出演者としてもすばらしいヴァイオリンを披露してくれました。彼女のことは日を改めて、「友達3」として書きますね。

まず指揮のマックレーシュ、この前のコンサートとは打って変わって自分の専門分野であるバロック音楽のせいか、まるで水を得た魚のように生き生きとした指揮ぶり。そして音楽にも俄然活気があって3時間50分にも及ぶこの作品を飽きることなく聞かせてくれました。私が学生だった頃はヘンデルなんてバッハに比べたら2流で、深みのない作曲家だと教え込まれた記憶があります。とんでもないですよね!ヘンデルはこんなにすばらしい、まるで私たちと同じ時代を呼吸しているようなテンポ感あふれる音楽。マックレーシュは2004年11月に聴いた時よりもずっと音楽が生き生きとしてすばらしかったですね。でもあの時このマックレーシュがこのオパーの専属だったらいいのにと正直に思ったことでしたが、今日もう一度聴いて見ると、あの時に思ったことは間違いがなかったと改めて思いました。今日がこのオパーにとってこの演目は最後の公演だったのですが、米沢さんも曰く「オケのメンバーもこの曲は何度もやって知り尽くしてるからね」、ということばが表しているように、レパートリーとはかくも偉大なものかと感慨を深くしました。別の言葉で言うと、指揮もオケも歌手たち皆が音楽を楽しんでやってるということ。その典型を見たような気がします。「これが音楽だよ」ってな感じ。

歌手陣もすばらしい出来。特に女声陣はソプラノもアルトも大体4分音符120くらいの速さで、16文音符のアジリタを歌いまくって、これが悉くつぼにはまっているから爽快!オーケストラも現代楽器を使っているのもかかわらず、ノンヴィブラートをうまく用いてこれまたすばらしい響きとアンサンブル。この前のシュターツオパーのヤーコプスより良かったんじゃないかなあ。

      hakaru matsuoka

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