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2006年2月10日 (金)

ケルン放送交響楽団 ベルリン公演

松岡究です。今日は午後3時くらいから、急に雪が降ってきました。そのせいもあるのでしょうか、客入りは6割程度だったように思います。しかし演奏は期待を裏切らないものでした。まず前半にMagnus Lindbergと言うフィンランドの作曲家のクラリネット協奏曲(ソロはKari Kriikku)後半がラフマニノフの交響曲第2番。指揮はこのオケの首席指揮者セミヨン ビシュコフ。

まず前半のクラリネット協奏曲ですが、ソロのKriikkuに脱帽。空前絶後の腕前の持ち主。繊細な弱音(pを5つくらいつけたくなるような最弱音)からうねりを上げるフォルティッシモまで、こんなにクラリネットが雄弁で多彩な楽器だとは今の今まで気づきませんでした。(恥!)作品もドビュッシーへのインスピレーションがあるようで、大変美しい作品です。皆さん機会があったら、是非この人のクラリネットを聴いてください。

後半はビシュコフのラフマニノフ。彼は暗譜で振っていましたが、全くどこをとっても迷いや曖昧さがなく、堂々とした表現が好感触を生んでいたと思います。珍しく楽章が終わるごとに拍手が入り、聴衆も彼の表現を心から堪能していたようでした。ただオーケストラとしては金管の粗雑さや全体的なアンサンブルの雑な面も結構見えて、ちょっと残念でした。ビシュコフのすばらしい音楽とオーケストラの間に少し距離があるようで、それはいったい何だろうと考えさせられました。

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